『キングダム 大将軍の帰還』インタビューPart.2 山﨑賢人 「20代を共に歩んできた信の成長にあわせ変化した気持ち」
「キングダム シリーズ」を振り返って
ーーでは、シリーズ4作を振り返って、一番印象深かったことはなんですか? 難しいですね。でも、やっぱり物語の原点に信と漂の関係性があるので、1作目は大事だったなって今振り返っても思いますね。漂とどれだけ仲良く見せて、その別れを悲しく見せた後に、嬴政と出会うという「キングダム シリーズ」の根本的な部分を築き上げたことが、すごく印象に残っていますね。 1作目の『キングダム』では、中国パートの最後の戦いから撮影が始まったので、最初は漂に出会っていない状態で嬴政と行動していたので、嬴政との関係性を築き上げてから漂とのシーンに向きあうことになったのが、逆に良かったです。 ーーご自身も原作のファンでもあると思いますが、山﨑さんが思う「キングダム」の面白さってってどんなところですか? やっぱり、人間くさいとか、泥くささ、熱さですかね。みんな「キングダム」で感動するように、DNAの中に組み込まれていると思うんですよね(笑)。 ーーなるほど(笑)。 それぐらい心震わされるし、今回で4作目ですけど、「キングダム」という世界観のなかで、各作品が別の映画なんじゃないかっていうぐらい、それぞれ違う描き方をしていて本当に面白い作品だと思います。 いろんなキャラクターが出てきて、みんなが魅力的だし、亡くなっていた仲間たちとか、いろんな想いをどんどん重ねて、背負って、みんな強くなっていくのが、大事だなって思っています。 重ねていけば重ねていくほど、スタッフもキャストも、みんな気持ちが乗るし、もちろん、観てくれたお客さんも一緒になって、想いを重ねてきているから、どんどん面白くなるし感動するんだろうなと思います。
信との共鳴 羌瘣との距離感
ーー「キングダム」ファンの声で嬉しかったことや心に深く残ったこと、励みになったものってどういうものですか? 「今まで観た映画の中で一番だ」とか、「生きる希望が出ました」とか、「信がめちゃくちゃかっこよくて、キングダムごっこしてます」みたいなことを聞いて、本当にいろんな世代の方からのいろんなタイプの受け取り方があるんだなと思います。みんなが応援してくれていて、自分が演じていながらも「キングダム シリーズ」が持っている力って本当にすごいなと改めて思いました。 それこそ最初は、信が「ただただ天下の大将軍になる」っていうのと同じぐらいの気持ちで、自分も「ただただすごい日本映画を作って、すげえ奴になりたい」ぐらいの感じだったんですけど、たくさんの人の想いがあって、みんなでこの作品を作っているんだとか、映画を観てくれた人にも感動を与えたいなとか、だんだんといろんなことを思うようになってきましたね。 ーーよく役とシンクロするという話を伺いますが、山﨑さん自身も信の成長に合わせていろんな想いが乗っているという感じですか? そうですね。例えば、原作にもあるシーンが、そのまま脚本上にあるときは、原作に答えがあるので、自分の中でその気持ちを持った状態で演じられるんです。 ですけど、映画オリジナルのセリフやシーン、『キングダム2 遥かなる大地へ』の羌瘣との洞窟のシーンでは、羌瘣との距離の縮まり方が、原作よりもスピードが速かったですよね。会って間もない人に、「お前は死んじゃダメだ」とか「生きろ!」って言うのが、すげえなって思ったんです。 言いづらいなって一瞬感じたんですけど、でも"信だったら言えるな"というか、どれだけ距離感があろうが、「死んじゃダメだ」っていう言葉を"自分だったら言ってほしい"って思えたし、みんなが言ってほしいセリフだろうなって捉えられたんですよ。 羌瘣に向けてセリフを言っていますけど、観てもらった人へのメッセージでもあると思うので、そういう感覚を大切に演じるようになりましたね。 ーー実際、羌瘣役の清野さんとはどのように関係を築いていったんですか? 今回よりも前作(『キングダム 運命の炎』)のときの方が、2人のチームプレーが多かったので、そのときに、たくさん一緒に練習しました。 菜名ちゃんは、めちゃくちゃアクションがうまいので"頼もしい副長だな"ってずっと思っていました。 ーー清野さんのお話だと、山﨑さんが車に筋トレグッズを乗せていて、みんなで一緒に筋トレをしていて"男の子っていいな"と思って見ていたそうです。 これだけ大きい作品だと自分が出演しないシーンも多いので、待ち時間の間に、トレーニングもできますし、楽しくリフレッシュできるように、ミット打ちできるグローブとか木刀とか、いろいろ積んでいたんですね。 アクション部の手の空いている人を見つけては「ちょっとミット打ち手伝ってください!」みたいな感じで(笑)。