造船所に駆け込み注文?変わりゆく船づくりの規制とは
また、近年の鋼材価格の高騰による舶用品の価格高騰も、同規制への対応に伴う費用増の規模が予想できない一因となっているようだ。
「規制対応に伴うコスト増が、受注活動にどの程度影響を与えるものになるか分からない。顧客にはこれを説明し、6月中に契約をしていただくか、7月以降の契約の場合には船価増を了承いただくための営業活動を行った。造船所だけで対応できる話ではなく、舶用メーカーをはじめ、陸上の運用側とも、今後詳細な擦り合わせが必要になるはずだ」(国内造船所関係者)
日本海事協会(NK)ではこれまで、UR E27に対応するガイドラインを発効済み。IACSによるサイバーレジリエンス規制についてのウェブサイトも開設しており、今後はできるだけ早く、UR2件を取り入れたNK規則・要領を発効する予定としている。
NK認証本部の斎藤直樹認証・海技部部長は4月、本紙取材に対し「デジタル化とサイバーセキュリティー対策は表裏一体。船舶のデジタル化に伴い、サイバーセキュリティーについてより一層の意識改革が必要だ」と説明。これに加え、今後は「セキュリティーソリューションの知識を持つ人材を増やすことも必要になる」と指摘した。
今後の詳細なルールの発効に注目が高まる。
日本海事新聞社