“EUROで見納め”引退クロース34歳は今なお「パス成功率99%、逆襲ドイツの心臓」16歳ヤマルに20歳ベリンガムも…必見のV候補3カ国
34歳クロース「パス成功率99%」にムシアラも感激
「組織の力は人々の感情に強く訴えかけるものだ」と現在36歳の指揮官は開幕戦後に話した。 「組織の力で試合に勝った。ドイツのフットボールファンが戦前より少しだけ我々を信じてくれるようになったのも、組織の力だ。個々のパフォーマンスについては、取り上げなくていいと思う」 監督はあくまで攻守に相手を圧倒したチーム全体の貢献を讃えたが、トニ・クロースの出色のプレーについて、触れないわけにはいかない。 直前のシーズンに自身6度目のチャンピオンズリーグ優勝を味わった現在34歳のMFは、現役最後の晴れ舞台でも、普段通りに落ち着いてゲームメイク。CBの左に降りる得意の位置どりから、フロリアン・ビルツの先制点のアシストのひとつ前の大きなサイドチェンジや、ジャマル・ムシアラの2点目の起点となった中央からの精緻な縦パスなど、簡単ではないボールを何度も繰り出しながら、前半のパス成功率は驚異の100%だった(出場全80分でも99%! )。 「トニは僕らにとって、ものすごく重要な選手だ」とプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選出された21歳の10番、ムシアラは言った。 「攻撃を組み立てる時、僕やイルカイ(・ギュンドアン)を巧みに動かしてくれる。彼のキャリアには大きな敬意を抱いているし、一緒にプレーできて光栄だよ」 ドイツは続くGS第2戦、ハンガリー戦も2-0で勝利して一番乗りでの決勝トーナメント進出を決めた。ムシアラやビルツといった若きエースアタッカーたちを、2014年W杯を知る海千山千のクロースや守護神マヌエル・ノイアーが支える。世代のバランスも理想的な開催国の代表が、一気に優勝候補に名乗りを挙げた。
《スペイン》死の組で輝く16歳ヤマルと中盤
★グループB★ スペイン 3-0 クロアチア (スペイン:アルバロ・モラタ 29分、ファビアン・ルイス 32分、ダニエル・カルバハル 45+2分) ルカ・モドリッチを擁するクロアチアとの初戦は、グループ初戦で随一の好カードと目されていたが、スペインは前半のうちに3ゴールを奪って勝負を決めた。 29分にファビアン・ルイスのスルーパスに抜け出したアルバロ・モラタが先制点を決め、その3分後にはルイス自身がボックス際から2人の敵を華麗にかわして加点。さらに前半追加タイムには、16歳の超新星ラミン・ヤマルの右サイドからのクロスに駆け込んだダニエル・カルバハルがスライディングで押し込んだ。 クロアチアの決定機逸やPK失敗にも助けられたが、3-0の完勝により、スペインがイタリアも同居する“死の組”で首位に躍り出た。 「夢のようなデビュー」 翌日の『ムンド・デポルティボ』紙は、主要大会初出場のヤマルにフォーカスし、カルバハルと力強く喜ぶ二人の写真を一面に載せ、そんな見出しを打った。 16歳338日でEURO史上最年少出場記録を更新した彼は、本大会前にプレーした直近のフレンドリーマッチの2試合で計3アシストをマークしているのだから、そこまで驚くことではないかもしれない。それでもあの落ち着きとクオリティーは到底、10代半ばの選手らしからぬものだ。 ロビン・ル・ノルマンが最終ラインでエレガントに身体を張り、 ロドリ、ペドリ、ルイスの大会屈指の中盤がリズムを刻み、ヤマルとニコ・ウィリアムスから成る若き褐色の両翼が敵陣を切り裂く──過去に唯一連覇を遂げたラ・ロハ(スペイン代表の呼称)が、イタリアとの第2戦も1-0でモノにし、4度目の欧州の頂点へ向け、申し分のないスタートを切った。
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