党首討論会「和気あいあい」の雰囲気の背景事情…石破首相、野田代表が気遣い合う“仲の良さ”
その背景には、「『似た者同士』を自認し合う、石破、野田両氏の“仲の良さ”」(政治ジャーナリスト)があるとの見方が多い。確かに、控室でも対決ムードはまったくなく、討論会から退出する際に乗り合わせたエレベーターの中でも、「お互い年寄りだから、体調を崩さないようにしよう」などと労い合っていた。加えて、「他の党首達にも攻撃的な人物が少なく、しかも複数が討論会初登場組だったこともあって、これまでのようなぎすぎすした緊迫感はなかった」(記者クラブ関係者)のが実態だ。
もちろん、そうした各党首も街頭演説などでは「対決姿勢を前面に出す」(政界関係者)のは当然だ。ただ、「悪夢の民主党政権」「あんな人たちには負けられない」などと挑戦的な言辞を連発した故安倍晋三元首相とは対照的に、石破、野田両氏は「言葉の使い方が丁寧で、攻撃相手の立場にも配慮する人物」(政治ジャーナリスト)とみられている。このため「両党首の控え目な性格が自民と立憲民主の対決ムードを緩和させ、結果的に選挙戦の“痛み分け”につながる可能性もある」(選挙アナリスト)との“複眼的”な分析も出始めている。
泉 宏 :政治ジャーナリスト