キャプチャーとアルカナの隙間へ 最新SUV ルノー・シンビオズ E-テックへ試乗 実力高し!
キャプチャーより大きいハンサムなSUV
CEOのルカ・デメオ氏は、市場の流れに逆らわないようだ。欧州では革新的でありつつ、主流から少し外れたイメージを抱かれていたルノーだが、最近は多くの人が欲するような種類のモデルを次々に投入している。 【写真】キャプチャーとアルカナの隙間へ ルノー・シンビオズ 競合サイズのSUVはコレ! (155枚) 英国では、小型から中型まで、2024年内に8種類の新モデルが投入される予定にある。このうちの6種類は、人気を集めやすいSUVが占めている。 その最新作となるのが、アルカナやオーストラルより小さく、キャプチャーより大きいシンビオズ。日産キャシュカイやフォルクスワーゲン・ティグアンといったライバルを超える、シェア獲得が目指されている。 基礎骨格はキャプチャーと同じ、CMF-Bプラットフォーム。全長は4413mmあり、全幅が1797mm。全高は1575mmと低めで、前面面積を小さくし、空気抵抗を抑えている。 英国に投入されるパワートレインは、1.6L 4気筒ガソリンエンジンが主体のE-テックと呼ばれるハイブリッドのみ。複数のモデルとの技術共有で、安価に抑えられているのが大きな強みだ。 スタイリングは、全体的にシャープなライン構成で、ハイテク感が漂うもの。ちょっとフォルクスワーゲン・ゴルフにも似ているかもしれない。 近年のルノーは、端正な見た目に加えて、優れた品質と合理性、先進的なデジタル技術などを重視したクルマ作りを展開している。そんな哲学が、スマートなシンビオズの容姿にも体現されている。ディティールにもこだわられ、ハンサムだと思う。
快適なフロントシート 広い荷室 充実の運転支援
ルノーがこのSUVの強みとして挙げているのが、実用的なインテリア。だが、クラスをリードするほどではないだろう。 リアシート側の空間は、平均的な英国人の大人でも快適に過ごせるものの、特にゆとりがあるわけではない。英国にはシュコダ・カロックという競合が存在するが、こちらはリアシートを取り外せ、シンビオズの約6倍の荷室容量を創出できる。 とはいえ、荷室の形状はスクエアで深い。ベンチタイプのリアシートはスライドできる。前方へ寄せると、荷室の床面との間に隙間が生まれてしまうが。 フロントシート側は、リア側以上に居心地が良い。ダッシュボードの操作系に突飛な部分はなく、10.4インチ・タッチモニターの位置も好ましい。 センターコンソールのシフトセレクターは大きく、しっかり握れる。メーター用モニターの表示は鮮明で、グラフィックも数パターンから選べる。 インフォテインメント・システムは、オペラRと呼ばれるもの。グーグルの技術を利用した、ルノー独自のシステムで、アンドロイド・スマートフォンとの連携性は高い。操作しやすく、沢山のアプリも追加可能だ。 運転支援システムは高機能。車線維持支援やアダプティブ・クルーズコントロール、制限速度支援など、最大で24種類を実装するとルノーは主張する。もし不要なら、ステアリングホイール上のボタンでオフにもできる。