キャプチャーとアルカナの隙間へ 最新SUV ルノー・シンビオズ E-テックへ試乗 実力高し!
安楽に運転したい人へピッタリのE-テック
それでは、公道へ出てみよう。英国仕様のE-テック・ハイブリッドは、シフトレバーをDのままにして、安楽に運転したい人へぴったり。むしろ、自分でギアを選ぶ機能は備わらない。 洗練された印象で、トルクが太く、市街地では軽快に先を急げる。流れの速い郊外の道では、若干のパワー不足を感じることがあり、うるさい場面も伴うけれど。 キックダウンさせても中間のギア比が長めで、エンジンが高回転域まで気張っても、得られるパワー感は強くない。こんな加速感が、僅かな物足りなさを生んでいるようだ。 周囲の流れに合わせて運転している限り、パワートレインの存在感は小さい。今回の試乗では、19.5km/Lという優秀な平均燃費も得られた。 カーブが連続する区間では、確かなグリップ力で安定。ステアリングの精度も高い。乗り心地は、高速道路では適度な締まり感がありフラット。きついカーブからの脱出では、少しトラクションが足りない瞬間があるものの、全体的に安心感は高い。 市街地では、大きめのアルミホイールと硬めのサスペンションが相乗し、フランスのSUVとしてはやや振動が目立つ。それでも、快適性と操縦性を巧みに両立させている。これは最近のルノーで共通する強みといえ、磨き込まれた技術力の現れだろう。
丁度いいサイズ感 シェア拡大に結び付く実力
オーストラルとキャプチャーの間に収まる、丁度いいサイズ感のシンビオズ。見た目はスタイリッシュで、実用性も低くなく、価格相応の訴求力がある。燃費も褒められる。ルノーのシェア拡大に結び付くであろう、実力は有するといえる。 新しいメガーヌ E-テック・エレクトリックの完成度は高く、レトロフューチャーな5への期待も高まるばかり。好調なルノーだが、ここへ以前のブランドイメージに沿うさらなる革新性が加われば、一層勢い付くのではないだろうか。 ◯:シンプルで整ったスタイリング ライバルよりお手頃な価格 広い荷室 △:リアシートはもう少し広くても良い 少しにぎやかで反応が遅れるパワートレイン
ルノー・シンビオズ E-テック・フルハイブリッド(英国仕様)のスペック
英国価格:2万9295ポンド(約557万円) 全長:4413mm 全幅:1797mm 全高:1575mm 最高速度:170km/h 0-100km/h加速:10.6秒 燃費:21.3km/L CO2排出量:105g/km 車両重量:1426kg パワートレイン:直列4気筒1598cc 自然吸気+電気モーター 使用燃料:ガソリン 最高出力:145ps(システム総合) 最大トルク:15.1kg-m/3600rpm(内燃エンジン) ギアボックス:4速オートマティック(前輪駆動)
マット・ソーンダース(執筆) 中嶋健治(翻訳)