FP芸人サバンナ八木さんが忠告 「下克上」と「ゼロ金利の崖」
「ブラジルの人、聞こえますか~!」のギャグでおなじみの芸人、「サバンナ」八木真澄さん(49)の裏の顔は、FP(ファイナンシャルプランナー)だ。サバンナ八木さんが警鐘を鳴らす、人生の「下克上」、「ゼロ金利の崖」とは。 【写真】FPをセカンドキャリアに選んだサバンナ八木さん サバンナ八木さんがFPの勉強を始めたのは約2年半前という。 「60歳を過ぎてテレビに出ているコンビ芸人はほとんど見かけません。僕もテレビや舞台にいつまで出られるかわからない。そこでセカンドキャリアとして、FPの資格をとり、カルチャーセンターなどで出してもらえればと思った」 参考書を買って毎日、隙間時間で勉強し、短い時は15分ぐらい、休みの日など長い時は6時間ぐらいやり続けた。 20代で社会人になり、30代で仕事を覚えて、40代で責任ある仕事をし、50代で肩をたたかれる。55~60歳でいったん退職金をもらい、再雇用で5~7割以下の収入になる――。会社の規模などによって個人差はあるが、会社員がたどるオーソドックスな末路だ。 「僕もそうで、37歳ぐらいまではたくさんテレビに出ましたが、今はたまにテレビで見かける人。55歳にもなると、たまにも見かけない人になるでしょう。寂しいですが、そう想定して準備をしておくことが大事」と八木さん。 会社でも芸能界でも下克上は想定内という。 「後輩芸人に追い抜かれ、後輩がMCになり、いじられるということはよくあります。今のポジションや肩書は、長いことは続かない。威張らないことが肝心です」 八木さん流のお金に対する考え方、節約術のノウハウがつまった著書「年収300万円で心の大富豪」(KADOKAWA)では、「ゼロ金利の崖」についても警鐘を鳴らす。 約30年間、超低金利が当たり前だったが、大手銀行などでは相次いで住宅ローン金利を引き上げている。 「住宅ローンを抱えている人は、金利、物価は上がり、生活が厳しくなる可能性がある。ゼロ金利の後ろは崖になっており、出口が見つからない状態が続いている」。心の持ちようで節約に励むことが大事とアドバイスする。(編集委員・森下香枝)
朝日新聞社