「秋冬も、水をたくさん飲むと美容や健康にいい」って本当? 医師に聞いた1日の適量や効果的な飲み方
11月も下旬に差し掛かり、ぐっと気温が下がってきました。秋冬は、大量に汗をかく夏とは違って喉の乾きを覚えることは少ないですが、空気の乾燥への対応やダイエット、健康のためにも「水をたくさん飲むこと」を意識している人は多いのではないでしょうか。では、水を飲むことで実際にはどんなメリットがあるのでしょう。今回は医師に、水を飲むことで得られるメリットをはじめ、一日の適量や飲み方、気を付けるべき点について話を聞きました。 【写真2枚】水を適量とるのに便利なアイテム2種 スタイリッシュなデザインも ☆☆☆☆☆ 「水」についての気になる疑問に答えてくれたのは、大阪グランドクリニックHEP NAVIO(大阪府北区)院長の大楠崇浩さんです。 ――水をたくさん飲むと、美容や健康にいいというのは本当でしょうか? 【大阪グランドクリニックHEP NAVIO 院長 大楠 崇浩さん(以下、大楠院長)】 水分を適量摂取できていれば、血液などの“体液”となって、細胞内や血中に滞っていた老廃物や毒素を尿として排出しやすくなります。老廃物が流れることで、血流がサラサラになったり、むくみが解消されたり、肌のうるおいが増したりなど、体内のあらゆる巡りを整えてくれることが最大のメリットです。 ――水を飲み過ぎると「水太り」するのかと思っていました。 【大楠院長】 むしろ、水を十分に補給した方が、体内の老廃物がうまく流れやすくなるので、水太りの症状を防ぐことができます。 ただし、過度な水分摂取は「水中毒」を引き起こしてしまう恐れも。水中毒とは、必要以上に水分を多飲することで血中のナトリウム濃度が著しく低下する「低ナトリウム血症」をきたした状態のこと。めまいや頭痛、下痢、嘔吐、多尿といった症状のほか、重症化すると意識障害やけいれんをおこし、最悪の場合死に至ることもあるため水の飲み過ぎには注意が必要です。 ――飲み過ぎも良くないのですね。 【大楠院長】 1日に必要な水分摂取量は、年齢や代謝量、活動レベルによって異なりますが、一般的に成人が必要とする1日あたりの水分量は約2.3~2.5リットル。ただし、食事に含まれる水分や、体内で栄養素が分解されるときに発生する水分(代謝水)もあるため、飲料水から摂取すべき水分量は1.0~1.2リットル程度です。もちろん、運動などで大量の汗をかいた場合は、プラスアルファで水分摂取が必要です。 一度にたくさん飲んでも吸収しきれずそのまま尿として排出されてしまうため、150~200ミリリットル(コップ一杯分)程度を、一日5~7回に分けて飲むことが大切です。 最近では、ダイエットや美容目的で“水分をとればとるほど良い”と、思い込んでしまう人も。健康意識・美意識が高まるのは非常に素晴らしいことですが、水分をとりすぎて体調を崩してしまっては本末転倒です。まずは毎日1~1.2リットルを目安に摂取し、健康維持・増進を心がけてみましょう。 ☆☆☆☆☆ 一日に必要な飲み水としての水分摂取量「約1リットル」を目で見て意識しやすい、1リットル入りのミネラルウォーターや、大容量ボトルを携帯する人も増えており、その流れに合わせて工夫した商品が複数送り出されています。 例えば、サントリーが製造販売するミネラルウォーター「サントリー天然水 1L」は、“家庭でのシェア飲み”を意識したこれまでのどっしりタイプのボトルから、個人用として持ち歩きやすいスリムなデザインにリニューアルしました。縦長デザインになりスリム化したことで、片手で直飲みしやすいだけでなく、通勤リュックのサイドポケットにもおさまるように設計されています。 また、株式会社キントーの「トレイルタンブラー1080ml」も、シンプルでスタイリッシュなデザインの大容量ボトルとして人気を集めています。「トレッキングやキャンプなど、自然の中で長時間過ごすシーンにおいて、大容量でもコンパクトで、身軽に持ち出せるボトルがあったらいいなという想いから生まれました」(株式会社キントー広報担当)真空二重構造で保温・保冷効果も装備。アウトドアシーンだけではなく日常でも活躍しそうです。 ☆☆☆☆☆ いかがでしたか? 夏以外でも水分摂取は意識的に。「適量を守って、こまめに」をこころがけましょう。 (取材・文=中口のり子)
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