【神崎 恵さん】この冬、気になるメイクは? 「鮮やかな色の存在感を唇に纏う楽しさに惹かれる」
神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場 「きゅん♡を誘う女になる」
気温も湿度も一気に下がり、本格的な冬到来。今月は神崎さんの冬の装いにクローズアップ。こっくりとしたマットリップをきかせた大人の洗練スタイル、成功させるポイントをレクチャーします。 【写真】神崎 恵さん
教えていただいたのは…
美容家 神崎 恵さん 1975年生まれ。美容家であり、3人の息子をもつ母。美容誌をはじめ、各女性誌で連載をもつ他、コスメブランドのアドバイザーを務め、 女性を美しく導く製品の開発、プロデュースを行っている。書籍の累計発行部数は166万部を超え、最新著書『一生ものの基礎知識 美容の教科書』(講談社)が発売になり、話題に。
Scene この冬気になるメイク&ファッション
そのひとのもつ存在感自体までもを勢いよく引き上げ、「特別なひと」にする。それが唇ひとつでも成されてしまうことを知っているから、深く潔く浮き立つ鮮明な色のリップに惹かれます。 この秋も、そんな色の圧倒的な美しさに魅せられました。パリで行われた、とあるハイブランドのSSコレクションに来場した女優の姿。真っ赤なウールブレンドニットにドレープドレス、それにリンクするような真っ赤なリップ。他にあるのはシンプルに束ねた髪と「透けているのでは?」と思わせる透明な肌だけ。特別な装飾もなく、ただ、透明感と赤が並びあうその美しさ。神々しさまで漂うような、息をのむ美しさでした。その女優が持つ端正な美しさはもちろん、そこに色が差されることで、こんなにも、言葉が出ないほどの美しさが生まれるのかと、ただただ感動したものでした。 そしてやはり、鮮明な色というものは、人に更なる透明感を与えるものだと確信。隣りあう肌の色を明るく透けさせ、瞳や髪を潤ませて見せる。ひとをつくるあらゆるパーツひとつひとつを、それはそれは美しく見せ、ムードを作り上げてくれるものなのだなと。この色の力を楽しむなら、季節的に赤いニットならそれほど緊張することなく取り入れられるかもしれない。 もう少し狭い面積で挑戦したいなら、やはりリップ。ブラウン、ベージュ、ブラックといった、着なれたスタンダードな色の服にもよく合う。合うというより、それこそ見慣れた服もドラマティックに引き上げてくれるはずだ。この冬なら、ツイードのジャケットやジレがいい。形も色もなじみのあるものでありながらも、風合いが表情豊かで袖を通すだけで雰囲気が生まれる。ここにこっくり濃厚な色の唇がよく合うもので、いい距離感で非日常を味わえる。 この色にぜひ合わせてもらいたいリップフォルムがある。それは上唇の山と山を埋めるようになだらかにすること。鮮明な色は強さがある分、まろやかさが加わるよう、角をそぐ。なだらかな丸みを持たせることで、強さと深み、加えてぬくもりや優しさを見せることができるから。目元は陰影をほんのり加えるくらいがいい。眼差しに色ではなく、光と影を混じり合わせ潤ませる。冬によく合う美しさ、楽しんで欲しい。