お金を増やして豊かに暮らせる人・お金を減らして生活に困る人…明暗を分けるのは「知識の差」【FPが解説】
(3)金融資産運用
金融資産運用では、金融商品の選定や運用に関する基本的な理解が求められます。株式、債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴、リスク及びリターンの関係、資産運用における分散投資の重要性、金融市場の動向とポートフォリオ運用がよく出題されます。 ここでは複利の理解が不可欠となります。利回りとは、一定期間運用した元本に対して、運用期間中に得られた利息と、元本に係る損益の合計額の割合を、1年あたりに換算したものをいいます。 複利とは、一定期間ごとに支払われる利息を元本に加えて、これを新しい元本と考えて利息を計算する方法です。利息も元本に加えられるため、利息が増えることになります。それゆえ、単利よりも複利のほうが有利となります。金融商品に投資する場合、基本的に複利を使って利回り計算を行います。
(4)タックスプランニング
タックスプランニングでは、所得税、住民税、相続税など税金の種類と計算方法についての理解が求められます。ここでは、個人事業主に適用される所得税の基本や節税手法が出題されます。3級では法人税は出題されません。 所得税は、個人が1年間で得た所得に対して課される税金です。所得税の計算では、所得を10種類に分類して計算します。利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得があります。 最終的な所得税額は、課税所得金額に累進課税率を適用して計算されます。累進課税は所得が増えるほど税率が高くなる仕組みです。一方、分離課税の所得には異なる税率が適用されます。
(5)不動産
不動産では、不動産取引の基本を理解することが求められます。ここでは、不動産市場と関連法規、不動産の評価方法と価格決定要因、建築基準法や区分所有法などの法律に関する問題がよく出題されます。また不動産仲介業を営む人たちに関する宅地建物取引法に関する問題も出題されます。 建築基準法には、街並みや道路環境をととのえるために、敷地と道路に関する基準や、建物の用途・建ぺい率・容積率・高さ制限など、建物の用途や形態に関する規定があります。主な規制として、用途制限、接道義務、建蔽率、容積率、建築物の高さ、防火規制などがあります。