牛丼チェーン3社が消費者からどう映るのか
久しぶりに大手牛丼店3社を回って、店内飲食をしているのだが、以前よりも3社の違いが顕著になっているように思える。物価の高騰が収まらないといっても、昨今は安価なだけでは顧客は来店しない。魅力を感じさせなければ売上げアップは望めない。消費者はシビアだ。 Z世代が牛丼店に足を運ばなくなりつつある現実の中、日本の外食産業をけん引してきた牛丼チェーンだが、今後、誰をターゲットに、どう見せていくのか。個性を強めている各店舗に期待をしつつ、今回は消費者からどう見えるのかに焦点を当てて書いてみる。 ※3社はABC社とする。また、3社が特定されないように、ABCは固定せずミキシングをしつつ書いていく。
女性客に寄せるか寄せないか
人生で一度も牛丼店に行ったことがないというZ世代の女子が、先日私のところに来て「行ってみたら、想像していたよりも清潔で居心地も良かったです。また行ってみたい」と言ってきた。初めて店内で牛丼を食べたのだという。 彼女の行ったA社は、女性1人でも入りやすい店舗展開をしている。筆者もA社を何店舗か巡ってみたが、いずれの店舗、時間においてもZ世代の女性の1人客や2人客、または子連れの母親がいて、「1人で入店しにくい」という若い女性の定番の意見から脱皮しようとしているようだ。CMやSNSなどの情報発信が一定の結果を出している。
カスターセット(調味料)は店舗全体を映す
テーブル上の調味料セットは、さまざまなことを映すものだと筆者は常々考えている。そのため飲食店のコンサルをする際にも、テーブル上のセットは重視している。テーブル上の調味料のセット類は、店内全体の清掃や点検の頻度や清掃クオリティーに連動することが多い。 調味料入れが薄汚れている、表示がかすれている。中身が空、または少ないままになっている。垂れたドレッシングがそのままの状態…などの場合、客が去った後のテーブル点検や化粧室の清掃のクオリティ-、レジ周辺の煩雑さ、注文用のタブレットに油がついていないか、などに連動するのである。それは、清掃にとどまらず、全体オペレーションや店舗コンセプト、ブランド価値にも及ぶ。 A社は以前よりもその点を注視したマニュアルに改良したのだと感じる。