広島商、苦闘乗り越え日本一王手 明治神宮野球大会
【明治神宮野球大会高校の部準決勝 広島商11―9敦賀気比】 23日あった明治神宮野球大会の高校の部準決勝で、広島商は十一回に小田の勝ち越し打などで3点を挙げ、3度目のリードで勝ち切った。片岡亮や名越の適時三塁打などで重ねた5点を守れずに延長へ。先発大宗が踏ん張り、徳永が締めた。 【写真22枚】明治神宮野球大会の高校の部準決勝、広島商―敦賀気比
荒谷監督「勝てたことを自信に」
広島商が「神宮の魔物」に襲われ、間一髪で振り払った。5―0から九回2死で並ばれ、タイブレークの十回は3点差を追い付かれた。荒谷監督は「何とか勝てたことを自信にしたい。苦しい展開で成長させてもらった」と、季節外れの汗を拭った。 好球必打で得点を重ね、先手必勝へ逃げ切り態勢。快勝のシナリオは、守乱で書き換えられた。八回に左翼手が後逸し、九回2死二、三塁は遊ゴロ悪送球。十回は四球やベースカバーの遅れで逃げ切り損ねた。 追い付かれても、追い越されない。一本立ちを期待される大宗は「十回は気持ちだけ」と184球の熱投。エースが古風な起用法に応える一方で、打線は走者を置く回にだけ得点。偶然ではあろうが、徹底した効率主義には現代っ子気風ものぞく。 手に汗握る局面を何度もくぐり抜けた。西村主将は「1球で流れが変わる。この経験を決勝に生かしたい」と、初出場初優勝へ意気込む。伝統校指折りの「野球好きな子」(荒谷監督)たちがその怖さも知り、秋の日本一に挑戦する。
中国新聞社