感染地発の移動制限は「常識」 尾身氏「有効策提示が専門家の責任」
政府の有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会が25日開かれた。その後、尾身茂会長は記者会見し、感染拡大している地域から人が出ないようにするのが「感染症対策上の常識だ」と述べた。Go Toトラベル事業をめぐっては、現在、感染が拡大している札幌市、大阪市を目的地とした移動を一時的に外すことになっているが、両市を出発地とする移動に制限はない。分科会は同日の政府への提言の中で、感染拡大地からの出発分についても見直しの対象とするよう求めた。
尾身会長は記者会見で、「感染が拡大しているホットスポットがあるとする。その他(の地域)が比較的感染が穏やか、あるいは感染がないときにどの対策が一番有効かというと2つチョイスがある」と説明。「2つのチョイス」とは感染拡大地域外から感染拡大地域に入る人の動きを制限することと、感染拡大地域から域外に出ることに制限をすることだと語った。 そして、「これは感染対策の常識で、ホットスポットがあれば、そこから出ないということが非常に重要。出る方だ。感染地から他に行かない。(出ると)そこから感染がどんどん広がる」と述べた。「逆の方向も、そっちに行けば感染していない人が感染してしまう。二者択一でなく、両方必要だということ」とも話した。 Go Toトラベル事業については「札幌の方には行かないで下さいということは言ったけど、こっちから(行かないようにする必要がある)。分科会のきょうのコンセンサスは、出る方も色んな理由があると思うが(制限すべきということになった)。分科会、専門家として感染対策に有効なものは何かを明確に言うことが我々の責任だ」と主張した。