「1番変わったのはやっぱり…」「30年前と全然違う」“特別”なレジェンドが感じるJリーグの変化。欧州から復帰組の影響力も語る
「欧州で引退するのが良いのかもしれないけど…」
12月10日に年間表彰式「2024 Jリーグアウォーズ」が横浜アリーナで開催され、遠藤保仁氏ら7人が功労選手賞を受賞した。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 現在44歳で今季からガンバ大阪でコーチを務める遠藤氏は、日本代表歴代最多の152キャップをマーク。J1でも最多の672試合に出場し、103ゴールを挙げており、文字通り歴史に名を残した屈指のレジェンドだ。 長く現役選手として活躍したなかで、報道陣から「30年前と今のJリーグで変わったところ」を問われると、今回の受賞にあたり「1番Jリーグで出ているし、できれば(功労賞の前に)『特別』とか付けてほしかった」とジョークを飛ばした遠藤氏は、ファンタジスタ系が減少傾向にある現代サッカーについて語った。 「1番変わったのは、やっぱりサッカーの質。僕が入団した時は、今みたいなフィジカルや身体能力を全面に出すようなサッカーではなかった。それはもう世界的にそういう流れになっている。あと環境が30年前と全然違う。下部組織がしっかりしているし、スタジアムもサッカー専用が少しずつ増えてきたりとか、その部分は大きく変わったんじゃないかな」 近年の傾向としては、欧州で経験を積んだ選手が再びJリーグで力を発揮する側面もある。実際、昨季は大迫勇也、今季は武藤嘉紀がMVPに輝く活躍を見せ、ヴィッセル神戸をJ1制覇に導いた。 遠藤氏はこの点にも触れ、“復帰組”がJリーグに与える影響を伝えた。 「神戸であれば武藤、大迫、井手口(陽介)とか、まだ向こうにいてもおかしくない年齢でこっちに帰ってきて、その経験をチームに還元している。あとはそれによって、ディフェンスのレベルも、止めないといけない意識になるので(上がる)。 ヨーロッパに行ってヨーロッパで引退するのが良いのかもしれないけど、Jリーグって枠で考えれば、そういう選手たちが帰ってくることはありがたいことだと思う。去年は大迫がMVPで、結果にも繋がっているのは、チーム、リーグ、見ている方々にとっても良いこと。その流れは流れで別にいいんじゃないかなと思う」 1993年に産声を上げたJリーグは昨年、30周年を迎えた。次の30年後までに一体どんな変化があるだろうか。 取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)