20代後半から活躍する社員ほど、入社3年目まで「とにかく叱られている」
先輩・上司が「叱りたい新人」こそ期待されている
私は「ほめ育」の専門家として、多くの企業で社員教育のお手伝いをしてきました。その中で、「ほめる」と「叱る」を同じぐらい大事にしています。相反する行為に見えるかもしれませんが、「社員を育てる」という意味においては、目指すところは同じだからです。 社員を伸ばすためには、良いところを見つけ、ほめることが欠かせません。でも、ほめるだけでもダメなのです。改善すべきところはちゃんと叱る、叱る、叱る...。そういう環境でないと、社員は決して成長できないと考えています。 叱るという行為には、新人や若手への大きな期待が込められています。根底には「愛」という感情があり、「成長してほしい」という想いが宿っている。だからこそ叱りますし、皆さんが素直に受け止め、自分が成長するための材料にすれば、その蓄積がゆくゆくはほめられる行為へとつながっていきます。 もし叱られて滅入ってしまったら、自分一人で負の感情を抱え込んでしまうのは避けましょう。あなたの周りを見てください。きっと「あの仕事どうなった?」と気にかけてくれる先輩がいるはず。「なんか最近元気ない気がするけど、何かあった?」といつも話を聞いてくれる同僚もいることでしょう。 苦しいなら頼ればいいのです。自分一人で受け止められないなら、周りに助けを求めることも大切です。 飲食店で皿洗いをしていた若い頃、店長に散々叱られてへこんでいたときに、「店が終わったら、ラーメンでも食べに行くか?」と声をかけ、連れて行ってくれる先輩がいました。 もう夜中の2時や3時。それなのに私の気が済むまで話を聞いてくれて、最後に「まあ、明日も頑張ろうや!」と言ってくれる。その温かさに、どれだけ救われたでしょうか。そして不思議と「また明日から頑張るか!」と思えたのです。 あなたの周りにも必ずいるはずです。自分の気持ちを受け止め、背中を押してくれる人を見つけるのもまた、成長につながる3年間を過ごすために必要なことと言えるでしょう。