20代後半から活躍する社員ほど、入社3年目まで「とにかく叱られている」
「この人に指導されたい」という自分のメンターを見つけよう
「メンター」とは、「良き指導者」「相談者」「恩師」などという意味を持つ言葉です。 先ほどの先輩は、私にとって大切なメンターでした。そしてその後も、私は多くのメンターと出会い、多くの力をもらってきました。皆さんもぜひ「この人のように生きたい」「この人に指導されたい」というメンターを、ぜひ見つけてください。 メンターは必ずしも「営業成績トップのエース社員」のように、ずば抜けた能力を持つ人である必要はありません。もっと身近な部分で「すごいな」「こんな風になりたいな」と思える人でいいのです。 たとえば、「雰囲気が知的」「おしゃれ」「人の話を聞くのがうまい」「育メン」のように、どこか「いいな」と感じるポイントのある人をメンターとして選べばOK。メンターが一人いるだけで、あなたは会社に居場所をつくることができます。 「あの人が見てくれるから頑張れる。ほめてくれるから頑張れる」 そんな心の支えがあるだけで、伸び伸びと仕事ができます。その結果、自然と力がついてくるのです。 直属の上司から学ぶ点を見つけることができれば、どんな上司にあたっても有意義な時間になります。ですが、直属の上司をメンターと思えないどころか、その上司が苦手で嫌で仕方がない、という人もいると思います。そんなときでも、さじを投げないでほしいのです。 どんな人にも必ず良いところはあります。客観的に見ればきっと、上司の良いところが分かってくるはずです。たとえば「言うことが細かすぎる」という上司は、皆さんにとっては面倒な存在かもしれません。朝からミスを指摘されると、モチベーションも下がるかもしれません。 でも客観的に見れば「細かいところに気づくだけの分析力がある」ということでもあります。「言うことが細かすぎるから面倒」ではなく、「細かいところに気づけるのは、なぜだろう?」という目で上司を見てください。きっと学ぶべきところがあるはずです。気が合わないからといってすぐ「ダメ上司と認定」すれば、損をするのは皆さんです。心をニュートラルにして、良いところや学べるところを探してください。 ちなみにメンターは、一人である必要はありません。そして社外の人でも良いのです。取引先やお客さん、セミナーで出会う講師など、周りにはいろいろな人がいるはず。人ではなく、本に書かれた内容でも構いません。自分にとって刺激になるような"重要他者"を見つけることが大切です。