20代後半から活躍する社員ほど、入社3年目まで「とにかく叱られている」
誰しも叱られるよりほめられたいと思うものですが、若いうちは「ほめられる自分」になるために失敗して叱られることも重要になります。失敗を引きずるのではなく、自分の成長の糧にするにはどうすればよいのでしょうか? 人材育成メソッド「ほめ育」の開発者で、人材研修の専門家、株式会社スパイラルアップ代表取締役の原邦雄氏が解説します。 【図】上司からの「有害なフィードバック」の特徴 ※本稿は、原邦雄著「社会人3年目までの、ほめられる技術」(ぱる出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
フレッシュマンと言われているうちにたくさんの失敗をしよう
入社したての1年目の新人はもちろん、ようやく仕事や職場に慣れてきたはずの2~3年目の社員も、会社での経験値の低い若手は、何かにつけて不安だと思います。 当然、失敗もたくさんするでしょう。そして、失敗して叱られる。叱られると自信を失って不安になる。そうするとまた失敗する...。そんな負のスパイラルに陥って、会社に別れを告げてしまう3年目までの社員が多いと感じます。 20代後半から花開くための「ほめられ貯金」は、あなたが「いかにほめられたか」で貯まるものではありません。むしろ、その逆。入社して3年の間、周囲に「いかに注意・叱られたか」で、あなたの「ほめられ貯金」は増えていく。 つまりは、失敗していいのです。失敗して叱られる? 上等じゃないですか。まったく問題ありません。失敗できるのは新人の特権です。むしろ失敗することが仕事だと考えてください。だって失敗するのは、挑戦している証拠。挑戦しなければ失敗もしないわけですから。 注意されて自信を失うのではなく、逆に「次の機会に向かうための答えを手にした」と考えてほしいのです。挑戦して失敗したからこそ、成長するための新たな手掛かりを見つけられたと考えてください。 ただし「自分がやってみたかったから」「何でもいいから、とにかくやってみよう」という、場当たり的な行動で失敗するのはダメな例。失敗するなら、「意識の高い失敗」であることが必要です。 「意識の高い失敗」とは、会社の方針を理解し、上司の意向をくみ取って行動した、だけど失敗してしまった… そういう失敗です。もし失敗して怒られても、「次は頑張れ!」という期待を込められているはず。それはまさに叱咤激励、成長の糧となる「ほめられ貯金」でもあるのです。