中国企業、米シリコンバレーで「AI人材ハンティング」
中国の宅配プラットフォーム「美団」は生成AIを活用した新規サービスを準備しており、プロジェクトを実行する人材を米国で探している。カリフォルニア州所在の組織を拡張し、採用した一部のAIエンジニアはカリフォルニアと北京を往来して勤務する。同紙はオープンAIの元研究者が美団をはじめとするさまざまな中国のテクノロジー企業から転職勧誘のメッセージを受け取った」と伝えた。ソーシャルメディアのティックトック(TikTok)を運営するバイトダンスはカリフォルニア州で採用したAI専門家を北京とシンガポールの人材と共に巨大言語モデル(LLM)の開発に投入している。同紙は「最近は中国の有望なAIスタートアップも対中制裁を避けるために米国で人材を探している」と指摘した。 ■グーグル出身者、中国に機密漏えいし摘発 シリコンバレー現地では、中国企業が一般のエンジニアではなく大物を狙っているという説がささやかれている。エヌビディアの人事担当者は「中国企業は現場のエンジニアではなく、Cレベル(最高責任者クラス)の職位を任せられる大物を狙っている。時間がかかってもしっかりした1人の人材を釣り上げるためにあちこちに網を張っている」と話した。 米現地のテクノロジー企業に勤める中国系人材が最もターゲットになりやすい。最近中国のAIユニコーン企業、ムーンショットAI(北京月之暗面科技)がマイクロソフトリサーチアジアの機械学習グループでチーフ研究管理者を務めた潭旭氏を迎え入れたのが代表例だ。採用というよりも産業スパイを探している可能性も指摘されている。今年5月にはグーグル元社員の中国人、丁林葳氏がグーグルのAI分野の機密を盗み出したとして逮捕された。中国のAIスタートアップから提案を受けた丁氏はグーグルデータセンターとソフトウエアに関連する内容の資料500ページ以上を盗んだという。シリコンバレー企業の社員は「中国企業は自分たちの身分を隠し、現地の代行業者を通じて密かにネットワーキングのグループをつくり、現地の最高人材のリストに作成している。人材を直接スカウトできなくても、必要な情報を収集するルートとして利用する意図があるとみられる」と語った ユン・ジンホ記者、オ・ロラ記者