米軍のアフガン撤退監督した陸軍中将、共和党上院議員が昇進阻む
(CNN) 米連邦議会上院の共和党議員が、米軍によるアフガニスタンからの撤退を監督した将軍の昇進を阻止した。事情に詳しい情報筋が明らかにした。共和党のトランプ次期大統領はアフガン撤退に関与した当局者らの責任を追及すると約束している。 【画像】アフガンから撤退するドナヒュー氏を捉えた暗視カメラ画像 オクラホマ州選出のマークウェイン・マリン上院議員はこのほど、クリス・ドナヒュー陸軍中将の欧州・アフリカ軍司令官への昇進を阻止した。国防総省によるとドナヒュー氏はアフガン撤退の最終盤、現地に残っていた最後の米軍要員として知られる。カブールの空港を飛び立つ輸送機に最後に乗り込む同氏を捉えた暗視カメラの動画は、20年に及ぶアフガン戦争の終焉(しゅうえん)と混乱に陥った撤退とを象徴する映像となっている。撤退時には自爆攻撃によって米兵13人が死亡する事態が起きていた。 トランプ氏は「アフガン撤退の災難に関わった高位当局者全員」の辞任を求めると発言。バンス次期副大統領も、撤退に絡んだ人々の責任追及を約束し、「状況を台無しにした人々には一定の結果が及ぶだろう」と述べた。 現在ドナヒュー氏は、ノースカロライナ州フォートリバティー基地で第18空挺(くうてい)軍団の司令官を務める。アフガン撤退時の階級は少将で、第82空挺師団を指揮していた。 国防総省のサブリナ・シン副報道官は25日、ドナヒュー氏の昇進が止められているのを把握していると明らかにした。アフガン撤退に関連して、他に昇進が停止している事例があるのかどうかは関知していないとした。 ドナヒュー氏は米国のウクライナ支援でも重要な役割を果たしており、2022年11月のウクライナ安全保障支援グループ(SAGU)の立ち上げに寄与した。ロシアのウクライナ侵攻後、同氏が率いる第18空挺軍団は欧州に派遣され、北大西洋条約機構(NATO)の東部方面の強化に取り組んでいる。 CNNはマリン議員にコメントを求めた。 米兵13人が犠牲となった前出の自爆攻撃から3年となる日、マリン氏は「これまで一人として災厄の責任を取った者はいない」との見解を表明。ドナヒュー氏や当時のミリー統合参謀本部議長を名指しで批判していた。