Web3とWeb2の融合が暗号資産のマスアダプションを生む──Base、TON、ソラナの3事例をチェック
TON:Web2からWeb3へ
Baseが暗号資産に関心の高いユーザーをターゲットにしているのに対し、TONのTAM(獲得可能な最大市場規模)はさらに大きく、テレグラム(Telegram)の9億人のユーザーをターゲットにしている。 2013年にローンチされたテレグラムは、瞬く間にグローバルなユーザー数でWeb2ソーシャルアプリのトップ5に入り、ロシア、東欧、東南アジア、アフリカの一部ではメインのアプリとなった。 TON(The Open Network)は当初、ブロックチェーンをテレグラムのエコシステムに統合するために、テレグラムの創設メンバーによって設計された。 テレグラムの複数の国にまたがるユーザー基盤とユニークな地政学的背景を考えると、統一された暗号資産決済手段は非常に有益なものとなる可能性がある。 TONのテレグラムへの統合には、シームレスなウォレット作成、アプリ内購入、法定通貨のオンボーディングが含まれる。テレグラムはまた、広告料の支払いをTONで受け入れ、クリエイターに収益の50%をシェアしている。 TONはWeb3アプリケーションの著しい成長に拍車をかけた。「Tap to Earn」ゲームのNotcoinは、わずか2カ月で3500万人以上のプレイヤーと650万人のデイリーアクティブユーザーを集めた。 同様に、ウィーチャット(WeChat)のミニアプリで経験を積んだアジアの開発者が手がけたCatizenは、2000万人のユーザーと1000万ドル(約15億6000万円、1ドル156円換算)以上の収益を獲得し、Web3のdApp(分散型アプリ)史上最速の収益成長を記録した。
ソラナ(Solana):ウェブ3をあらゆる場所へ
高性能ブロックチェーンで知られるソラナは、ブリンク(Blinks)によってマスアダプションに向けて大きく前進した。ブリンクはオンチェーン取引をシンプルなURLに抽象化し、あらゆるWeb2ビジネスに埋め込むことができるため、ブロックチェーンテクノロジーとのやり取りのプロセスが簡素化される。 ユーザーはURLをクリックするだけでオンチェーン取引を実行でき、複雑なウォレット設定は不要。これにより、Web2ビジネスはブロックチェーン機能を既存の業務に統合しやすくなる。 ● 1970年代に誕生したインターネットがマスアダプションを実現したのは2000年代に入ってから。ビットコインの誕生から15年目を迎え、Web2とWeb3の融合がブロックチェーンテクノロジーの普及を加速させ、メインストリームがこの新しいテクノロジーを利用し、そこから恩恵を受けることを可能にしている。オンチェーンは新しいオンラインだ。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Crypto for Advisors: Web2 to Web3
CoinDesk Japan 編集部