キラキラPR会社社長の逮捕や起訴はそんなに簡単な話ではない 斎藤知事・公選法違反疑惑の見通し
“選挙界隈”での反応
「社長側からは齋藤氏がPR会社を訪問した際にSNS戦略をプレゼンするシーンが紹介されていましたが、プレゼンを受けたことと、受け入れることは別。齋藤氏はそれを受け入れたつもりはなく、社長側は任されたとの認識がある可能性もあります。つまりボタンのかけ違いがあったという可能性も否定できないのです」(同) この場合、PR会社社長の自己顕示や承認欲求の強さが事実と異なる発信の動機となったということか。一方で、“選挙界隈”ではこんな反応も見られているという。 「今後選挙に出ようとしている現職や前・元職、新人候補らの中には一連の推移を大きな関心をもって見守っている者もいるとのことです。選挙に関してSNSを活用するのは当然としてもいかに有効活用するかについてなかなか解答や正解がないのが現状。敗色濃厚だった斎藤氏の勝利にSNSが貢献したことは疑いのない事実で、その一翼なのか全体なのか担った割合はわからないにしてもPR会社の果たした役割がかなり大きいということなら社長と会って話を聞いてみたいという人は結構いるような印象があります」(同) 悪名は無名に勝るという視点で言えば、社長のPRは一定の効果をもたらしていると見ることもできそうだ。
電通や博報堂は別として
社長の発信には電通や博報堂を意識していると見られる部分もあった。 「選挙時のSNS運用といった細かい話を抜きにすれば、長年、自民党にせよ野党にせよ、イメージ戦略に関しては電通、博報堂など広告代理店を活用してきたわけです。さらにそこから新聞やテレビに広告費として金が流れて来た。それ自体は秘密でも何でもない。政権交代前の民主党(当時)が積極的にPR会社を使っていたのは有名な話です。ただし、今回、PR会社は裏方であるべきで積極的に表に出るというのは“矩(のり)をこえている”といった批判はありますね。そもそも黙っていればこんな疑惑は生じなかった。むろん、今回の会社くらいのレベルだと自らアピールしなければ次の仕事にありつけないとの危機感はあったのでしょうが。しかし、これまでも、選挙の神様とか常勝プランナーとか言われている人も大小あるにせよ実績をそれなりにアピールされていました。今回の疑惑発生後、すでにそういう職種の人が解説者としてメディアに登場しています。その人たちのビジネスと今回とでどこが違うのか、というのが社長側の本音かもしれません」(同) かりに捜査が進み、立件となれば斎藤氏のシンパは「これも斎藤つぶしの陰謀だ」と考えるだろう。一方で仮に起訴が見送られればアンチは怒り、検察審査会に訴えるなどの行動に出ることが予想される。PR会社社長の自己顕示欲のツケで、県内が二分される事態はまだまだ続きそうなのだ。 デイリー新潮編集部
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