日本を代表するハーレー・エンジニアと所ジョージさん 2人の深い関係を示す1台のカスタムバイク
また、フロントフォークはあえて1930年代のインディアン・リーフスプリングフォークのレプリカが装着されているのですが、これは「アメリカのデトロイトの裏路地にある油くさいバイク屋のガレージで老ビルダーが店にあったパーツで適当に組み上げたバイク」という所ジョージ氏とZAK柴崎氏が二人で考えたコンセプトを具現化したゆえ。 無論、車体の性能はあらゆる年式のエンジンや骨格をごちゃ混ぜにしつつも至って現代的な仕様となっています。しかも始動方法は、ある一定の箇所までキックペダルを踏みこむとセルが回るという凝りようです。こうしてすべての面においてバイクとしての機能が一切損なわれていない点もこの1台の見逃せないポイントとなっています。
たとえばこうしたカスタムバイクを生み出すには、カネを出し、単にパーツを組み上げるだけでは決して具現化されることはありません。あえていえばオーダーする顧客と創り出すビルダー側の人間的な信頼関係こそが肝要となります。 所ジョージ氏という人物の心の琴線に触れる「ツボ」を理解し、それを具現化するサンダンス、ZAK柴崎氏の技術力……まるで過去のサンダンス作品を1台の中に集約したかのような『デトロイト・フランケンシュタイン』からは二人の人間関係、絆の深さすらが伝わってきます。
渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)