免疫力UPに美容効果も!「ヒートショックプロテイン(HSP)」がもたらす数多のメリット
体を温めることは良いことーー。 よく耳にする言葉だが、これがなぜ体に良いのかを説明できる人は少ない。実はコレ、「ヒートショックプロテイン(以下:HSP)」と呼ばれるタンパク質の一種が免疫を高めてくれているというのだ。
今回は、医療法人社団森愛会鶴見クリニックの鶴見隆史院長にHSPのメカニズムや体に起こるさまざまなメリット、そして効率的にHSPを増やす方法などについて教えてもらった。
そもそもHSPって何なの?
――まずHSPとはどういうものか、教えてください。 HSPは全身にある約60兆個もの細胞を修復・強化してくれる優れたタンパク質です。 もともと私たちの体の主成分はタンパク質ですが、糖や加工肉などの過剰摂取、精神的なストレスが原因で、体に害をもたらす「変性タンパク質」へと変わります。 そうなると、体が酸化・糖化状態となり、次第にさまざまな病気を引き起こしてしまいます。そんな変性タンパク質を正常なタンパク質に戻してくれるのがHSPです。 ――HSPはどうすれば増やすことができるのでしょう。 HSPはさまざまなストレスによって発生するため、ストレスタンパクともいわれています。 たとえば、断食。脳に必要な糖の供給が絶たれることで、脳が飢餓状態であると判断し、HSPが出現します。体の修復機能として話題になったオートファジーも、断食することで発生するといわれていますが、HSPと働きがよく似ているんです。 あとは感染症にかかったり、高所で過ごしたり、身体が酸化状態になったりするときにもHSPは出てきます。「何とかしなければ!」という体の防衛機能ですね。 そして、もっとも強くHSPを出すのがマイルド感温。つまり、入浴やサウナで体を温めるということです。
HSPを効率に引き出す“ホルミシス入浴”とは?
――HSPを引き出す効率的な入浴方法などあるのでしょうか。 まずは40℃のお湯で10分、それから43℃ほどの熱めのお湯で5分、これを2セット行います。これだけでも、ものすごく汗が出ると思います。 ある程度お湯の温度は高いほうが良いですね。できれば、お風呂のフタなどで浴槽を密閉して、顔だけ出すなどすると効率良く全身を温めることができます。あとはホルミシス入浴ができるとベストでしょう。 ――ホルミシスとは何でしょう? 低線量の放射線によって得られる効果のことです。体を温めるときには「遠赤外線が良い」と聞いたことありませんか? でも遠赤外線は体の2cm奥までしか温めてくれません。ホルミシスなら約30cmまで通過します。文字通り、体の芯まで温めることができるんですよ。 ――ホルミシス入浴は具体的にどうすればいいのでしょう。 いちばん良いのは温泉。特にホルミシスが多いのは「ラジウム温泉」ですが、ラジウム温泉でなくとも、微量の放射線は出ています。とはいえ、なかなか毎日温泉に入ることもできませんから、温泉の素やミネラルの多い自然塩を入れるのも効果的です。 あとは、浴槽に入れるだけでホルミシス入浴ができるグッズも発売されています。気になる人はチェックしてみると良いと思いますよ。