IHI、不正は「経営層に問題」 子会社の燃費改ざんで中間報告
IHIは4日、子会社のIHI原動機(東京)が船舶用や陸上用エンジンの燃費に関するデータを改ざんしていた問題を巡り、社内調査の中間報告を公表した。過去の子会社の管理職のほか、現在は役員に昇格している人物も長年不正を認識していたとして「組織・経営層の問題は大きかった」と指摘した。 改ざんは新潟内燃機工場(新潟市)と太田工場(群馬県太田市)の2工場であった。IHIは4月に事案を発表した際、2003年以降に国内外に出荷した計4361台で不正を確認したと説明していたが、今回対象は4905台に拡大。安全性への疑義は確認されていないとする一方、「安全性に問題がなければ品質記録が多少事実と異なっても構わない」との安易な考えが背景にあったと分析している。 新潟内燃機工場では1980年代後半から、太田工場では2001年以降、不正が続いていた可能性が浮上している。IHIは19年の航空機エンジン部品の検査不正を契機に内部監査を強化したが、今回の事案は見過ごされ、今年2月の内部告発まで発覚が遅れた。