結局どこが[優勝]したん!? 雨に2度のクラッシュ…今年の[S耐ファイナル富士]が波乱すぎた件
■荒れたレースで運も味方に付け今季初優勝!
11月17日(日)の決勝はレースウィークで最も気温が上がり、ターボで室内が暑くなる「SPOONリジカラCIVIC」はクールスーツを装備して出走。今回の第7戦決勝レースはグリッドに65台ものマシンが並ぶ混雑ぶりで、レース前から波乱が予想されます。 「SPOONリジカラCIVIC」は小出峻がスタートドライバー!序盤から果敢なアタックを見せ、3周目にはクラス3番手まで順位を上げました。しかし、スタートから22分後に大きなクラッシュが発生。最初はFCYで、その4分後にはSCへと変わります。 このタイミングで多くのマシンと共に95号車もピットイン。小出峻から三井優介へとドライバー交代、燃料補給とタイヤ交換も行ってピットアウトしました。 しかしそのままレース再開には至らず、ガードレールの補修のため、赤旗の「RACE STOPPED」。この赤旗中断は約1時間30分続き、先が読めない展開になってきました。 その後レース時間を約2時間残して再スタート!そこから三井優介の頑張りで、6位まで落とした順位を再び3位まで挽回。このままS耐らしいガチンコ勝負が続くかと思われた矢先、再び大きなクラッシュがあり、この日2度目の赤旗中断。 ここでレース時間短縮に合わせた諸規則の変更が公式通知として公示され、ピットイン義務は3回から2回、Aドライバーの乗車義務は1時間からなんと3周に変更。 残り30分となり超スプリント・レースの様相の中、条件をクリアしていないクルマが多く、再スタート後のピットは大渋滞となりますが、95号車はあえてすぐにピットインせず、原監督監督はステイの戦略。 ピットでバタバタするより、三井選手にプッシュさせ、更なるポジションアップを託す攻めの姿勢です。「SPOONリジカラCIVIC」はAドライバー山田英二選手が未だ乗車していないので、2位走行中の残り10分の間にドライバーチェンジを決行します…が、その直前にトラブルでコースアウトした車両があり、そこから4回目のFCY が導入。 これがピットインを遅らせた95号車にとって大きなプラスとなり、クラストップに浮上。 そのまま予定通り3周走りチェッカーを受け、ホンダ車のチューニング・メーカーとして、長年スーパー耐久シリーズに参戦してきたSPOONとして、復帰後FL5型CIVICでの初優勝を飾りました。 チーム監督の原剛は、「金曜日は霧の影響で午後は走れなかったりしたので、十分ではありませんが、前戦の岡山で発生したブレーキトラブルの対処を始め、サスペンションや空力は決勝用によいセットアップ出来たと思います。ドライバーも想定通りのタイムで走ってくれました。 ただ、ここまでレースが荒れるとは…。最後はFCYとピットインのタイミングがチームにとってドンピシャで運も味方してくれた事が、勝利の要因だったと思います。チームとしては7年ぶりのS耐復帰でメカニックも実戦経験が無く、マシンもFL5というデータも何も無い新車なので、今年は苦労すると思っていましたが、最後に勝てたことは大きな自信につながります。 来期に向けチームもマシンも、2~3段階、いや5段階くらいはアップする気概をもって臨まないといけませんね。最終的にはシリーズチャンピオンが目標ですが、チームスプーンは実戦参加から得たノウハウを生かした商品をスプーンスポーツのお客様に還元するという事も大きな目的ですから、ブレずにしっかりと進んでいきますよ」と語りました。 さてCドライバーのピストン西沢ですが、レースが短縮され出番がないだけではなく、最初のFCYのクラッシュの様子を見ようと、電動スクーターでパドックを移動中に転倒。激しい痛みでレースを離脱する羽目になり、表彰台に立つことができませんでした。 大事なところで応援にお応えできず誠に申し訳ございません。もう笑うしかできないっす。ちなみに肋骨骨折と肩の打撲、裂傷などで、全治1か月だそうです。早く治しますね。