9月15日は土星探査機「カッシーニ」のミッションが終了した日
日本時間1997年10月15日17時43分、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地(当時)から「Titan(タイタン)IV-B」ロケットが打ち上げられました。搭載されていたのはアメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の土星探査ミッション「Cassini-Huygens(カッシーニ・ホイヘンス)」の探査機「Cassini(カッシーニ)」です。 土星探査ミッション「カッシーニ・ホイヘンス」を振り返る。打ち上げから「グランドフィナーレ」まで(Youtube動画) カッシーニは土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器(Radioisotope Thermoelectric Generator: RTG)を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、濃い大気を有し、生命が存在する可能性も指摘されている土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「Huygens(ホイヘンス)」も搭載されていました。
地球を旅立ったカッシーニは、金星で2回(1998年4月と1999年6月)、地球で1回(1999年8月)、木星で1回(2000年12月)のスイングバイ(※太陽を公転する惑星などの重力を利用して軌道を変更する方法)を実施。打ち上げから7年後の日本時間2004年7月1日に土星を周回する軌道へ入ることに成功しました。 日本時間2004年12月25日には翌年1月のタイタン着陸を目指してカッシーニからホイヘンスが分離。タイタンの大気圏に突入し、パラシュートを展開して降下したホイヘンスは、日本時間2005年1月14日にタイタンの表面へ軟着陸することに成功しました。2024年9月現在、ホイヘンスはタイタンに着陸した唯一の探査機であり、降下中や着陸後に撮影・取得された貴重なデータをもたらしました。