【写真：Getty Images】

　サッカー日本代表は14日、AFCアジアカップカタール2023（アジア杯）グループリーグ初戦でベトナム代表と対戦する。敵将はかつて日本代表を率いたフィリップ・トルシエ監督。日本代表をよく知る68歳のフランス人指揮官は前日会見で、日本代表に「勝てるかもしれない」と述べている。 【グループリーグ順位表】AFCアジアカップカタール2023（アジア杯）　＜組み合わせ＞

　トルシエ監督は「これまでの実績から見ても、日本代表はアジアカップの優勝候補だ」とその強さを認める。「日本人は他の誰よりも、成功するために団結力が必要になることを深く理解している」と日本代表の協調性を称賛する。また、「ベトナムの弱点は理解している。彼らは国内のトップレベルでプレーしているが、（世界的には）決して高いレベルではない」、「我々は100％以上の力を出し切る必要があるだろう」と力の差があることを認めている。 　ただ、トルシエ監督は実績の差が必ずしも結果に反映されるとは考えていないようだ。「日本代表と10回戦えば、9回は負けるかもしれない。でも、1回は勝てるかもしれない。明日がそうなるかもしれないね」と語り、「日本代表との試合後、我々の強さを知ることになることを願っている」と付け加えた。 　トルシエ監督はFIFAワールドカップカタール2022を例に挙げ、「日本代表がスペイン代表やドイツ代表に勝てたのは相手より強かったからではなく、アプローチがより合理的だったからだ」と述べる。「日本代表はスペイン代表を乱していたし、破壊していた。我々もそう戦うつもりだ」と相手にボールを握られながらも、粘り強くチャンスを作った日本代表の戦いを参考にしてくるかもしれない。 　大会初戦ということもあり、トルシエ監督が古巣との対戦で何か特別なプランを用意している可能性はあるだろう。一方で、「日本代表戦だけの準備をしているわけではない」とも話す。グループ3位でも決勝トーナメント進出の可能性はあるため、3試合すべてが重要であることも認識している。 （取材・文：加藤健一【カタール】）