NEC森田社長が明言した「AIエージェントの業績への貢献」
「成長事業へ積極的に投資して新たな収益基盤を早期に確立したい」(BIPROGY 代表取締役社長CEOの齊藤昇氏) BIPROGY(ビプロジー、旧・日本ユニシス)の齊藤氏は、同社が先頃発表した2024年度(2025年3月期)上期(2024年4~9月)の連結決算会見で、成長事業への思いについて上記のように語った。「早期に確立したい」との言葉に意気込みを感じたので、明言に取り上げた。 BIPROGYの上期の連結業績は、売上収益(売上高に相当)が前年同期比7.5%増、営業利益が同7.9%増と増収増益となった。この業績について齊藤氏は、「アウトソーシングを中心に全ての領域で増収となり、販売管理費の増加をカバーして営業増益となった」と述べた。決算概要は発表資料をご覧いただくとして、ここでは冒頭で紹介した齊藤氏の発言に注目したい。 同社は2024年度から2026年度(2027年3月期)までの3カ年の経営方針において、現在の収益源となっているコア事業と新たな収益の柱となる成長事業という2つの事業戦略を推進しており、それぞれに注力領域を定めている。 コア事業では、同社グループが強みを持つ5つの領域に経営資源を集中し、収益性を高めていくことを目指している(表2)。 齊藤氏によると、「上期はとくにリテールやモビリティーの領域でお客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが活発になり、売上収益が拡大した。さらに、他の領域でもお客さまへの提供価値向上の取り組みが着実に進展している」とのことだ。 成長事業では、市場開発、事業開発、グローバルの3つを注力領域として設定している(表3)。 同氏によると、「上期の時点では、業績に与える影響はまだ小さいが、コア企業で獲得した収益をベースに成長事業への積極的な投資を進め、新たな収益基盤を早期に確立することを目指している」とのこと。冒頭の発言は、このコメントから抜粋した。 たしかに売上収益を比べると、表2に記されている上期のコア事業の合計が643億円なのに対し、上期の成長事業の合計は58億円とコア事業の1割にも満たない。 そこで、会見の質疑応答で「注力領域におけるコア事業と成長事業の割合は、例えば3年後、どれくらいにしたいと考えているか」と聞いてみた。すると、この質問には同社 常務執行役員 最高マーケティング責任者(CMO)の永島直史氏が次のように答えた。 「注力領域全体が引き続き伸びていく中で、3年後には成長事業が全体の半分近くを占めるようにしていき、今の成長事業がコア事業になっていくように努めていきたい」 BIPROGYにとってはダイナミックなチャレンジになりそうだ。齊藤氏の経営手腕に注目したい。