日米通算2700安打!右打席と左打席で人格を変えたスイッチヒッターの極意・松井稼頭央さん プロ野球のレジェンド「名球会」連続インタビュー(20)
振らないと打席に立つ意味がありません。見ているだけじゃ面白くないです。フォアボールを取りにいくためではないですからね。打席に立てば打ちたいとみんな思いますし、そうあってほしい。まさか、僕がここまでホームランを打てるとは思っていませんでした(日米通算233本塁打)。全く自分の想定外。でも何とかやっていけば、打てる可能性は出てくるんじゃないかと思いました。僕はホームランは打てないと諦めてしまうと打てない。高校では1桁。やっぱり積み重ねていけば、そこは打てなくはないと思いました。 2002年にトリプルスリー(打率3割3分2厘、36本塁打、33盗塁)になりました。30本塁打は夢のまた夢でした。松永浩美さんがスイッチでシーズン最多の26本を打たれていたので、松永さんを超えたいと思っていました。スイッチ打者として一番になりたいと。盗塁30個は自信がありました。打率の方も3割前後ぐらいだったら率を求めないといけませんが、率を残した分だけ余裕は出ました。これが3割少しなら、トリプルスリーは狙えていなかったと思います。
× × × 松井 稼頭央氏(まつい・かずお)大阪・PL学園高からドラフト3位で1994年に西武入団。走攻守そろった遊撃手として最多安打2度、盗塁王3度。98年はパ・リーグ最優秀選手。2004年に日本選手の内野手で初めて米大リーグに移籍した。名球会入り条件の日米通算2千安打は09年8月に到達。11年に楽天で日本復帰。18年に西武へ戻り、同年限りで引退した。日米通算2705安打、465盗塁。23年から西武監督。75年10月23日生まれの47歳。大阪府出身。