弱点をすべて克服したドラム式洗濯機がすごい! 買うなら今でしょ!?(多賀一晃/生活家電.com)
【家電のことはオイラに聞いて!】#79 今、洗濯機を買い替えるならドラム式洗濯機がお得!というのは、今までの欠点や弱点に対する技術が出来上がったからです。 1人暮らしを始めるなら…「最初に揃える」白物家電を選ぶコツ 全モデル、ラーメンで言う「全部のせ」状態なのです。 実用的な洗濯機をつくったのは米国のフィッシャーさん。1908年に特許を取得しています。これ以前にも電気洗濯機はあったそうですが、水と配線の折り合いが悪く、実用的と呼べるレベルではなかったそうです。このフィッシャーさんが実用化したのはドラムだったのです。 洗濯というのは、洗濯機、洗剤、水、布種、汚れ種の5要素をうまく組み合わせ、汚れを水に移す行為です。しかし、欧米の水は、日本に比べると洗濯に向いていません。硬水な上に、水量も不十分だからです。「湯水のよう」という表現は、水の多い日本特有の表現なのです。 ■ドラム式はお湯洗いが基本 少ない水で洗濯物をキレイにするために、ドラム式はお湯洗いが基本です。湯温は洗剤の酵素などが活性化する40度。衛生に気を使う場合は60度。ちなみに60度のお湯で洗うと、いわゆるニオイ菌を殺すことができ、部屋干ししても臭うことはありません。 お湯にするためドラム式洗濯機は、ヒーターが内蔵されています。そのヒーターを使って庫内空気を温め、風にして乾かす。欧米の冬は長く、寒い。ドラム式は生活スタイルに合っていたのです。 日本では電気で乾燥できる=時短と考え、ドラム式洗濯機は時短家電に祭り上げられました。その分、不満も多く出ました。ほとんどが使い勝手についてです。 ①洗濯機が大きいため、家にある洗濯パンに設置することができない。 ②ヒーターを使用するため電気代がかかる。 ③乾燥時に発生する綿ボコリの処理が大変。これに加え、水だけで洗いたい、柔軟剤など、後入れ洗剤の使い方がよくわからないと言う人もいました。 性能もイマイチという話もよくありましたが、そして今、①に関しては、日本で最も普及している60センチの洗濯パンに入るように調整脚を付けました。家電にとってのサイズ、特に住宅の狭い日本では最重要課題なので、メーカーも迅速に対応しました。 ②については、小型化した「ヒートポンプ」で対応。エアコンにも使われているヒートポンプは、電気代が安いのが特徴です。ヒーターの2分の1以下の電気代なので、乾燥は電気代がかかると罪悪と感じていた人も乾燥まで使うことができます。 ③については乾燥フィルターを天面に1つ。排水フィルターを正面下部に1つ付けるのが今どきのモデルです。中には、乾燥後、庫内を水で洗浄。綿ボコリを全て洗い流し、排水フィルターだけの機種もあります。これに加えて、洗剤の自動投入は、ほぼ全機種に採用されました。 つまり、今どきのドラム式は、設置で悩まず、電気代で悩まず、フィルターの手入れで悩まず、洗剤投入で悩まない優れモノ。買うなら今でしょ! (多賀一晃/生活家電.com主宰)