あこがれのコンサルに未経験で転職→「大活躍する人」と「お荷物になって絶望する人」の決定的な違い
● 自分の強みがないまま 「何となく」働くと失敗するワケ まずは1つ目。本連載の前々回記事(※)で紹介した通り、コンサル業界ではリーダーやマネジャーが、各プロジェクトの参加メンバーを決める。この作業は「アサイン」と呼ばれ、メンバーの評価や得意領域、キャリア志向、プロジェクトの性質などを踏まえて選抜される。 ※詳細は『コンサル業界の厳しすぎる実態!「仕事ができない社員」につけられる不名誉な称号とは?』を参照。 この際、自分がどの分野の専門家なのか(今後は何を専門にしていきたいのか)が具体化されていないと、人員を選ぶ側のマネジャーが「この人はどんなプロジェクトにアサインすればいいのか……」と扱いに困ることになる。 入社したての頃は「経験を積んでもらうために、他業界から来た新人をアサインしている」という大義名分のもとでチームに入れてもらえるかもしれない。だが、時間が経っても自分の強みが確立できないままでいると、「新人」とは呼べない年次になったときに、どのプロジェクトにも入れてもらえず困ることになる。 そのため、コンサルへの転身を目指している人は、志望企業の組織図などを見て「自分はどこで活躍したいか」「どの分野の専門家になりたいか」をあらかじめイメージしておくべきだろう。 そして入社後の強みの打ち出し方としては、「戦略・組織・ファイナンスといった、業界横断型のノウハウの専門家になる」「特定の業界の専門家になる」の2択になってくる。 このうち前者の方が「コンサルっぽくて格好いい」ような気がするかもしれないが、基本的には新卒の頃からコンサル業界で揉まれてきた経験がないと、「戦略・組織・ファイナンス」の領域で勝ち残っていくのは難しい。もしコンサル以外の出身者が勝ち残りを目指すならば、若い頃から事業会社でこの領域に携わり、長年鍛えられてきた経験が必要だ。もしくは、著名な海外ビジネススクールでMBAを取得しているなど、突出した経歴が求められる。ただし、こうした「強者」は転職市場では少数派である。 だからこそ、一般的なコンサル志望者は、まずは土地勘のある分野で勝負すべきだ。そう、自身が長く働いてきた「コンサルに転職する前の業界」の専門家になればいいのである。 かつて働いていたのだから、例えば元銀行マンの方なら、銀行の組織的課題やIT化の遅れについて良く知っているだろう。在籍時はなかなか改善できなかったとしても、理論上はどうすれば解決できるかを把握しているはずだ。リサーチの際などに価値を発揮し、クライアントに貢献できる可能性が高まるからだ。