「サボテングルメ」が愛知県春日井市で増加中。スイーツにサボサンドも!?
コロカルニュース
輸入植物としてのイメージが強いサボテンなどの多肉植物ですが、愛知県春日井市では、古くからサボテンの栽培を行っています。全国有数の実生サボテン生産地である同市では、鑑賞用のサボテンはもちろん、現在、食用サボテンにも着目し、〈サボテングルメプロジェクト〉を実施。 【写真で見る】フルーツサンド店が開発したサボテンロール 市役所内には、食用サボテンのPRを行う〈観光・サボテン担当〉という部署も2022年から設置されており、さまざまな取り組みを行っています。 ■サボテンの一大生産地、春日井サボテン 春日井市がサボテンの栽培を始めたのは、1953(昭和28)年ごろと、歴史も古く、果樹栽培の副業として始めたのがきっかけでした。1959(昭和34)年には、一帯の果樹が被害を受けたことから、サボテン栽培へと移行する農家が増え、市内に広く普及。春日井市のサボテン栽培の大きな特徴は、種から育てる「実生栽培」。温室の構造を工夫するなど独自の栽培方法を生み出し、実生サボテンの大量生産を可能にするとともに、一帯の農家が連携して分業体制をとることで、安定した栽培を確立させました。 ■春日井の特産品、サボテンでまちおこしを 春日井市役所で、観光・サボテン担当として活躍する産業部経済振興課の柴田知宏さんは、食用サボテンの魅力をこう語ってくれます。 「過酷な状況でも育つサボテンは、食糧危機にも強いといわれ、SDGsの一貫として、世界的にも注目が集まっています。サボテンは、栄養価も高く、β-カロテンなどの抗酸化成分やカルシウムやマグネシウムといった野菜と果物が持つ両方の栄養素が含まれているので、万能食材といわれているんです。また、豊富な食物繊維は整腸作用やダイエット効果が期待されます」 ■〈サボテングルメプロジェクト〉で市民にとっても身近なサボテン 今年の夏には市内のサボテンを扱うお店を巡る〈春日井サボテンスタンプラリー〉を開催し、市内41の飲食店と小売店が参加。多くの市民がサボテングルメを楽しみました。そのメニューも、スイーツにラーメン、パンやピザなど、幅広いサボテングルメが登場しています。また、春日井市では、2007年から、年に3回程度、小中学校の給食にも登場し、子どもたちにも、「サボテンを食べる文化」が広がっています。 ■サボテンロールが食べられる、フルーツサンド店〈クルル〉 2021年には、春日井市観光コンベンション協会の主催で〈春日井サボテンスイーツコンテスト〉が開催されました。生のサボテンだけでなく、ピューレや粉末となったサボテンを使い、バラエティに富んだスイーツが誕生。 2020年5月にオープンしたフルーツサンド店〈クルル〉は、「親子で楽しんでもらう」をコンセプトに、サボテンの粉末を使用してゼリーをつくり、フルーツの代わりにサボテンゼリーを巻いたロールサンドを開発。 「生のサボテンは野菜臭があり、苦手なお子さんもいるので、ゼリーにしてつるんと食べやすいように工夫しました。生クリームと一緒に巻いてあるので、スイーツ感覚で楽しめます」と店長の蜂谷裕子さん。片手で持てるロールサンドは、手軽に食べられるとあって、人気を呼んでいます。 information クルル 住所:愛知県春日井市味美町1-11-3 営業時間:10:00~15:00(店舗前の自動販売機で24時間販売) 定休日:月・水・金・日曜