好調ハースF1、さらなる躍進目指しスタッフ増員へ。小松代表「オーナーを納得させるだけのパフォーマンスを示せた」
ハースF1チームの小松礼雄代表は、オーナーのジーン・ハースがチームに新たな投資を行なった上で、積極的な採用活動を進めていると明かした。 【動画】ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年の公開を前にティザー映像が先行配信 2023年のコンストラクターズランキング最下位に終わったハースは、オフシーズンにギュンター・シュタイナー代表を解任するという驚きの選択をした。代わってチーム代表に起用されたのが、それまでエンジニアリングディレクターを務めていた小松だった。 新体制となったハースだが、チームがすでに持っているリソースで改善できることを示すまで、オーナーのジーン・ハースはさらなるリソース投入を望まなかった。 しかし、ハースはシーズン前半からコンスタントにポイントを積み重ねており、10レースを残した段階で2023年の2倍以上のポイントを獲得している。 ハースが2022年のオーストリアGP以来となるダブルポイントフィニッシュを達成した2024年のオーストラリアGP後に、小松代表は新たな採用活動を始めることをオーナーに打診したという。 ハースは現在約300人と、数千人のスタッフを抱えるトップチームと比べてかなり規模の小さなチームだが、それでも採用活動を進めて約10%も規模を増やすことを目指しているようだ。 小松代表はmotorsport.comの独占インタビューで、次のように語った。 「私たちは、パフォーマンスを向上させることができるということを示しました」 「オーナーを納得させるために必要なのはパフォーマンスです。彼は常に『もっと良くなりたい、どうすればもっと速く走れるか』を見ています」 「だからリソースが同じでも力を合わせて少しずつ前進できることを見せれば……」 「今、ハースF1チームの歴史上かつてないほどの大々的な採用活動をしています。実際にはまだそうした人材は入ってきていないので、ほとんど規模は変わっていません」 「でも一緒に仕事をしていて、雰囲気が大きく変わっているんです。ポジティブになれば当然より上手く機能し、人々がよりパフォーマンスを生み出すようになります。それが最大の違いだと思います」 小松代表はまた、ハース・オートメーションCEOのボブ・マレーをチームの本拠地であるバンブリーに招き、冬のテストやいくつかのレースに帯同してもらったことも大きく影響したと評価している。 「私の戦略は、ジーンや彼の右腕として38年間活躍してきたボブのような人々をチームに迎え入れ、彼らを巻き込み、F1で成功するためには何が必要かを理解してもらうことでした」 「以前の戦略は逆だったかもしれません。ですが私の戦略は最初から『オーナーが現実を理解していなければ、当然彼はイライラするだろう。彼は結果を期待していて、我々はそれを達成できないのだから』というスタンスでした」 「彼の期待を正しく受け止めるためには、F1で成功するために必要なことをもっと理解してもらう必要がありました。そして、ボブはそのための非常に重要な役割を担っています」 「それは素晴らしいことです。ボブは私と契約したとき『アヤオ、私はキミをサポートする。君と取り組んでいく』と約束してくれたんです。それが本当に嬉しかったです」 「それはジーンとボブ、私たちの親会社のコミットメントを示すものです。そしてボブはそれを100%行動で裏付けています。本当に感謝しています」
Alex Kalinauckas