元同僚ビノットのアウディ加入は「去就に影響しない」とサインツJr.。移籍候補チームに動きが相次ぐ中、慎重な姿勢を崩さず
未だ来季の去就が決まっていないカルロス・サインツJr.(フェラーリ)。彼の移籍先候補であるアウディ/ザウバーには元同僚のマッティア・ビノットが加入したが、この動きは自身の選択には影響しないという。 【リザルト】F1ベルギーGP:フリー走行2回目結果 ザウバーは2026年からアウディのワークスチームとしてF1に参戦することになるが、彼らは今季限りでフェラーリを離れるサインツJr.にオファーをしていたことで知られる。その他ウイリアムズやアルピーヌも触手を伸ばしていると言われており、サインツJr.は最終的な移籍先を決めかねているような状況だ。 そのため現在の移籍市場は非常に流動的な状況にあると言える。特にアルピーヌは最近、自社でのエンジン開発を諦めてメルセデスのカスタマーチームになるという噂があるが、これは戦力アップに繋がる可能性があり、サインツJr.にとってはより魅力的な選択肢になるかもしれない。 そんな中、アウディはチームの会長だったオリバー・ホフマンとCEOのアンドレアス・ザイドルと決別することとなった。そしてかつてフェラーリでチーム代表を務めたビノットが、8月からF1プロジェクトの責任者に就任する。 ビノットはフェラーリ時代の2021年にサインツJr.をマクラーレンから引き抜き、2022年まで共に戦った経験がある。サインツJr.はベルギーGPを前に、ビノットのアウディ加入を良いニュースだとした一方で、自身の意思決定には影響しないと述べた。 「マッティアがどこかのチームに加わるというのはポジティブだ。彼はフェラーリのようなトップチームを作り上げるために必要な経験を持っているからだ」 サインツJr.はそう語る。 「彼はフェラーリでの経験をアウディに持ち込むことができるし、チームにとって大きな財産になる。それが彼を雇った理由だろうね」 「マッティアの加入は彼らにとって良いニュースだけど、僕の将来に大きな影響を与えることはないよ」 またDAZNスペインに、アウディ加入決定後のビノットと連絡をとったかと質問されたサインツJr.はこう答えた。 「マッティアに限らず、多くの人から電話がかかってきている。ただもちろん、僕たちは話をした」 「そして僕は彼を祝福した。今の彼にとっては、理想的なポジションだと思うからね」 現在2025年のF1シートはメルセデス、RB、アルピーヌ、ウイリアムズ、ザウバーに1席ずつ空きがある状況だが、サインツJr.の動向が鍵となることは間違いない。ただ彼としては、すぐに決断を迫られることはないと改めて強調した。 「僕の将来はまだ議論されている最中だし、もちろん慎重に分析されている。来年に向けて検討しているチームの多くに変化が起こっているのを、毎週のように目の当たりにしている」 「ドライバー市場と同じようにチーム市場にも動きがあるので、これらの変化を分析するためにも、自分自身に時間を与えたいと思っている」
Filip Cleeren