元テレ朝アナ・竹内由恵。この夏、自身が1週間の入院を経験。夫や家族と“子育て”をシェアする大切さを知った
子どもたちと別々に過ごした1週間で、子育てに対する考え方にも変化
――子育てをしていて、孤独を感じたり、気持ちが沈むなど、ネガティブになることはないですか? 竹内 1人目のときは、そういう感情になることが多かったと思います。息子とずっと向き合って、一瞬たりともこの子を泣かせてはいけないと、すごく気が張っていたんですよね。ずっと息子を抱っこしていたので両手がふさがってしまい、1日中それ以外のことができないなんてことも。こんな日々が続いていくと、「息子はかわいいけれど、でもしんどいな」という状態になってしまうんですよね。 このころは、見えないストレスみたいなものがありました。人ともあまり話せなかったし、テレビのつけっぱなしも、赤ちゃんによくないかな? と避けていました。完全に社会から切り離されていて、家の中では私と子どもだけ。すごく孤独を感じていましたね。コロナ禍ということもあったのですが、そのような状態がしばらく続きました。 長男を出産した当時は、まだ静岡に友だちがいなかったので、子育て中に孤独になってしまった1つの要因でした。ただ、コロナもだんだん落ち着いてきて、子どもが半年を過ぎたころからは、子育て広場などに積極的に行くようにしました。そこで、ママさんたちと話をするのが息抜きになって、その存在はすごくありがたかったですね。 子育ての気分転換は、私の場合は仕事です。仕事があったから、子育ても乗り越えられたかなと思います。仕事仲間と話をするだけでも社会とつながっているような感覚になりました。 ――母親になって、竹内さんの考え方や生き方は変わりましたか? 竹内 感情を抑えることは、日々訓練されているような気がしますね。よっぽどのことがない限り人に対して怒りを覚えなくなっているんじゃないかなと思います(笑)。この人にも、きっと何か理由があるんだろうなと、相手の立場に立って考えられるようになったと思います。 あとは、子育てに対する考え方も最近変わってきて、自分だけで責任を負わずともなんとかなるのかなと、少し肩の力が抜けてきたんです。きっかけは、私が1週間ほど入院をしたことです。 当時、息子たちの保育園でコロナやマイコプラズマ肺炎が流行していて、息子のマイコプラズマ肺炎が私に移ってしまっての入院でした。 私の入院中は、夫や親戚、自分の両親に来てもらったりと、家族みんなにサポートしてもらいました。結果的に、子どもたちは「ママは? ママに会いたい」と気にしながらも、それなりに楽しんで過ごせたみたいなので、なんとかなるんだなということも学びましたね。 それまでの私は、子どもたちが生まれてからこれまで、責任みたいなものを肩にしっかり乗せてきたんです。それが、この1週間入院するにあたって「今から私は、すべての責任を下ろして丸投げするんだ」と思うと、なんだか不思議な感覚になりました。 ――夫さんは、子どもたちにとってどんなパパですか? 竹内 夫はもともと子どもが大好きで、すごく子煩悩なパパです。積極的に子どもたちと遊ぼうとしてくれるのですが、一緒にいられる時間はやっぱり少ないですよね。 ただ、私が1週間入院したことによって、ちょっと自信をつけたようです。最近は「僕1人でも、2人を夜も見られるよ」と話していました。こうやって、まかせることも大事かなと思いましたね。 これまでは、娘も授乳があったので、育児の主導権は私が握っていたと思いますし、なかなか夫だけに任せることはできなかったんです。でもこれからは、夫と一緒に子育てをシェアしていくことも大切だなと思えるようになりました。 お話・写真提供/竹内由恵さん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE 2人のお子さんを保育園に通わせながら、週に3日は東京まで仕事に通うという忙しい日々。そんな中でも、上の息子さんのイヤイヤ期や赤ちゃん返りとの向き合い方、子どもたちへのしかり方など、子育ての悩みを抱えて過ごしているという竹内さん。 後編では、そんなモヤモヤを消化するために描きはじめたイラスト漫画のこと、初めての書籍『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ、くすくす日和』などについて聞きました。