ナガセヴィータ 「世界食料デー」に社内イベント 支援国の給食を昼食メニューに
「多様性を企業成長の糧に」安場直樹社長
食堂で従業員とともに、食事体験をした安場直樹社長は、同社事業とSDGsのかかわりについて次の通り語った。 当社は、SDGsのテーマのうち、4つのマテリアリティ(重要課題)を定めている。今回のイベントはそのうちの一つ「安定的な食料確保」の一環として実施。2021年に東京で行われた「栄養サミット」において、当社は誓約を出した。今後も国連WFPへの支援を継続するとともに、当社事業によって持続可能な食料システムの構築に貢献したい。 フードシステムには「生産」「加工」「流通」「消費」の4カテゴリーがあり、当社素材はすべての分野にかかわっている。多機能糖質「トレハロース」は、自然由来の身体にも環境にも優しい素材。生産では農業のバイオ肥料の安定化と化学肥料の使用低減、農作物の収率向上に貢献している。食品加工では、様々な分野にいろんな用途で利用されている。 流通においては、でんぷんの老化を抑制し食品を長持ちさせる。特に近年の冷凍革命では、解凍後の美味しさを保つために使われている。消費では廃棄ロスにも貢献。例えばみかんの皮など普通なら廃棄されるものが、ドライフーズとして生まれ変わっている。食品ロスを減らすことができれば、世界の食料確保と飢餓ゼロにつながる。 今回の食料デーの取り組みを通じて、世界にはこんな食事があるのだと多様性を感じてもらいたい。発展途上の社会では同一性が重視されるが、ある程度成熟が進むと、価値創造のためには多様性が必要。日本でも戦国時代初期の城は木造だったが、やがていろんな石が積み重なって城壁や土台が造られ、強固な城となった。 当社も林原(旧・社名)から成長し、多様性を採り入れることで世界へ進出しようと取り組んでいる。サスティナブルな取り組みも多様性の一環。イベントを通して、従業員には多様性を感じて成長への糧にしてもらえればと思う。