「もうやりきりましたと言えるような…」ロス五輪に向かうパリ4位入賞の鈴木聡美が刺激を受けた後輩スイマーの姿【競泳ジャパン・オープン】
◆競泳 ジャパン・オープン(29日、東京アクアティクスセンター) 女子100メートル平泳ぎ決勝で、今夏のパリ五輪代表の鈴木聡美(33)=福岡県遠賀町出身=は1分8秒60の5位だった。現在は厳しい練習を積む鍛錬期でもあり、今レースに向けてのコンディションは万全ではない中でのレースだったが「悔しさの方が今はどちらかといえば強いですかね」と悔しがった。 ■SNS騒然「合成…じゃないよね」橋本環奈が降臨【写真】 パリ五輪の100メートルは惜しくも決勝進出を逃したものの、200メートルでは見事に4位入賞を果たすなど、苦しい戦いが続いた日本競泳陣の中で大きな存在感を示した。次回2028年ロサンゼルス五輪への挑戦も明言しており、まずは来年シンガポールで開催される世界選手権の代表権を勝ち取るべく、変わらず自身を追い込み続けている。 「(現役を)続けてみて、私、まだしっかりと体がまだ衰えてないと言いますか、元気というか。まだまだ追い込める体なんだなっていう喜びの半面、なんで続けるって言ったんだろって。こんなにきついとは思わなかったって泣き崩れるくらい。半分後悔もちょっとあるんですけども、ただ、自分にも期待を持って、今後もロスまで続けられるならやりたいですし、周りの期待にも応えられたらなっていう思い」 今夏の祭典後には東京五輪の女子200&400メートル個人メドレーで2冠を達成した大橋悠依が現役を引退。プールに別れを告げた後輩の姿を見て、鈴木の胸中には迫るものがあった。「彼女は2冠の女王。しっかりと自分のやること、やりたいこと、すべきことを成し遂げた上での引退だったと思う」とした上で「自信を持って終われる姿には、私もすごく憧れと言いますか、駄目でしたっていうよりは、もうやりきりましたって言えるような終わり方を私もしたいなと思った」と率直は思いを口にした。だからこそ前へ進む。「金に届くかはわからないですけども、その辺も目指せるんであれば、しっかりと目指して終わりを迎えられたらな」とも話した。 今大会は50メートルと200メートルの平泳ぎにもエントリー。今年の締めくくりの試合を終えると「ウエートトレーニングでパワーマックス1分間の3セットなど、そうしたトレーニングも入ってくる。自分の指標にもなるし、自信にもつながる。覚悟を決めないとなっていう思いです」としっかりとしたまなざしで先を見据えた。 まばゆいパリでの活躍後も不世出のスイマーは変わらない。周囲の期待や支えを糧に、自分を信じて、ひたすら上を見据えて前に進む日々を過ごしている。
西日本新聞社