英30年債利回りが上昇、1998年以来の高水準に-国債供給相次ぐ
(ブルームバーグ): 7日の取引で、英国の長期債利回りが1998年以来の高水準を付けた。英国債は年初から新規供給が相次ぐ見通しだ。
英30年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、ブレア首相時代の98年以来となる5.22%に達した。当時はアジア通貨危機やロシアのデフォルト(債務不履行)の影響を抑えようと、イングランド銀行(英中央銀行)が金利を6年ぶりの高水準から引き下げ始めたところだった。
この日は30年債入札が行われ、応札倍率は2023年以来の低水準だった。供給に対する懸念がなお残っていることが浮き彫りとなった。
労働党政権が本財政年度に過去最高に近い国債発行を計画していると明らかにしたことから、投資家の間で財政赤字の膨張が懸念され、英国債は売り圧力にさらされている。
ロイズ・バンキング・グループの市場分析責任者サム・ヒル氏は「少なくとも今四半期の残りの期間は英国債発行の負担が著しく軽減される可能性は低い」とリポートで述べた。
英債務管理庁(DMO)は7日、22億5000万ポンド(約4500億円)規模の30年債入札を実施。応札倍率は2.75倍と、23年12月以来の低さだった。平均落札利回りは5.198%と高水準だったものの、最高落札利回り(最低落札価格)との差(テール)は0.3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、ある程度の需要があることも示唆された。
DMOは8日に5年物新発債の入札(42億5000万ポンド)を実施する。また、イングランド銀行(英中央銀行)は6日、バランスシートを縮小するための量的引き締めの一環として、期間7年-20年の保有国債を売却していた。
英国債にとっては、英中銀の利下げ回数が以前想定されていたよりも少なくなりそうな見通しも下落圧力を強めている。短期金融市場が織り込む2025年の利下げは、昨年12月初めには0.25ポイントが3回以上としていたが、いまや2回となった。