男子の「腰パン」、アムラー全盛期のコギャルから「韓国っぽJK」まで平成→令和の制服着崩し事情
◆今も続き、世界中で支持される「なんちゃって制服」
女子高生ブーム全盛期から、今も続いている「なんちゃって制服」。 「フリー制服」「セレクト制服」「エセ制服」などとも呼ばれ、服装に指定のない学校の生徒が通学用に着たり、制服のある学校の生徒が放課後遊びに行くときに使われています。 大手学生服メーカーのカンコーでも、なんちゃって制服の販売・レンタルを行っています。 レンタル用サイトの特集を見ると、学校での式典、冠婚葬祭、テーマパークに行くとき、友だちとプリクラを撮るときなどのシーン別のコーディネートが掲載されています。 また女子中高生のための雑誌「Seventeen(セブンティーン)」では、4大最強制服コーデとして「大人っぽさ盛れるクールJK」「おしゃれさNo.1の韓国っぽJK」「好感度抜群の可愛さ♡甘め清楚JK」「みんなの人気者!ギャルみカジュアルJK」が紹介されています。 ただ一つの「正解」があるわけではないのも特徴的ですね。 また、日本のマンガやアニメ、映画などに登場するかわいい制服は、今や、世界で注目されているポップカルチャー。SNSでは、アジア・ヨーロッパなど世界各国のなんちゃって高校生に出会うことができます。 そんな人気の学生服ショップの1つである原宿発の制服ブランド「CONOMi」は、2009年に外務省「ポップカルチャー発信使」に任命されています。 1990年代から2000年代には、「決められた制服を決められたルールに則って着る」という学校主体の考え方から、「個性的でありたい」「仲間とは同じでありたい」「おしゃれでいたい」といった個人的な気持ちを優先する方向に変わってきたとも考えられます。 つまり、制服についての主導権が、生徒たちに移ってきたということです。 もちろん、校則を全く気にしないのか、校則の範囲内で着こなしを工夫するのかは、その時々によって、また個人によって異なります。 けれども、同じ「ルールを守らない」といっても、制服の着方で反抗心を示すこともあったツッパリとは、質が違うといえるでしょう。
高橋 真生(子育て・教育ガイド)