ガザで食料援助トラック強奪被害、100台近く 国連機関が明らかに
[ジュネーブ/カイロ 18日 ロイター] - パレスチナ人向けの食料を積んだ100台近いトラックが、16日にパレスチナ自治区ガザに入った後に強奪被害に遭っていたことが分かった。国連機関が18日、ロイターに明らかにした。戦争開始から1年1カ月経過したガザでは飢餓が悪化しており、最悪の援助物資被害の一つとなった。 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)と国連世界食糧計画(WFP)から提供された食料を輸送していた車列は、ケレムシャローム検問所から不慣れなルートで急遽出発するようイスラエルから指示されたという。 UNRWAのシニア・エマージェンシー・オフィサー、ルイーズ・ウォータリッジ氏によると、トラック109台のうち98台が襲撃され、何人かの輸送員が負傷した。 同氏は「援助物資をガザ南部・中部に運ぶことの難しさを浮き彫りにした。早急な介入がなければ、深刻な食料不足はさらに悪化し、生きるため人道援助に頼っている200万人以上の命がより危険にさらされることになる」と述べた。 イスラム組織ハマスのTVチャンネル「アルアクサ」はガザのハマス内務省筋の話として、援助トラック略奪に関与した20人以上のギャングメンバーが、ハマス治安部隊が部族委員会と連携して実施した作戦で殺害されたと伝えた。 また、このような略奪行為に手を貸した者が捕まった場合は「鉄拳」で処分するとしている。 WFPの広報官は略奪を確認し、ガザの多くのルートは現在、治安上の問題で通行不可能になっていると明らかにした。