まさか私が「上の子可愛くない症候群」に?きょうだい育児の《あるある》に現役保育士はどう向き合ったか
上の子の心を満たすには?
上の子の心を満たしてあげることが大切。そう考えたしょうこさんは、できるだけスキンシップをしたり、会話をしたり、小さなことをたくさんほめたりするように心がけているとか。 「もちろん、怒っちゃうこともありますが、できるだけ手があいたすきにスキンシップをしたり、「今日は学校どうだったの?」と話をしたり、小さなことをたくさん褒めたり。 毎日絶対何かしら褒めていますし、下の子が泣いてても、あえて上の子とハグの時間をとり、わざと声に出して『今はお姉ちゃんの時間だからね、待っててね』と言います。この、声に出してっていうのが、個人的ポイントです」 (しょうこさんの投稿より *一部編集) 「細々とポイント稼ぎをしています」と冗談めかして言うしょうこさんですが、その効果は絶大。上の子が満たされていくのが目に見えてわかるといいます。1日の終わりの気分も変わるんだとか。 「寝顔を見て『あー今日もたくさん怒ってしまった』と、悲しむのではなく、『明日もたくさんポイント稼がせていただきます』とニヤニヤしています。結構楽しいですよ」 (しょうこさんの投稿より *一部編集)
型にはめずに子どもに向き合う
ときに失敗しながらも、子どもに向き合い、自分なりの対応策できょうだい育児をする中で、育児にまつわる《あるある》な状態を表す「わかりやすいワード」に潜むリスクに気付くようになったというしょうこさん。 「上の子可愛くない症候群」のように覚えやすいワードが先行することで、すぐにその型にはめようとする傾向があるのではないかと指摘します。 「イヤイヤ期、赤ちゃん返り、4歳の壁など、端的に分かりやすい言葉があると、指標となり『これがウワサの...!!』と分かりやすいですが、全部が全部そうじゃない。上の子可愛くないって思うと、本当に可愛くないって思っちゃうから。本当はそうじゃないのに。 言葉があると、そこに落ち着いて安心してしまいますが『上の子可愛くない症候群』だから怒っちゃうのはしょうがない、というわけじゃないですよね」 (しょうこさんの投稿より *一部編集) キャッチーな言葉が表す型にはめることは安心材料にはなるものの、子ども自身に向き合うことがおろそかにもなりかねません。上の子に手を焼いている中で「上の子可愛くない症候群」という言葉で割り切ってしまうと、可愛くないと思っているわけではないのに、可愛くないと思うようになってしまう危険性も考えられます。 「だからわたしは気持ちを強くもって、上の子も下の子も同じだけ大好きを毎日伝えていけるよう意識しています」 (しょうこさんの投稿より *一部編集) 今の対策が通用しなくなったら「そしたらそこでまた考えていこうかなと思います」と大らかに構えているしょうこさん。マニュアル的ではなく、出合う状況に臨機応変に対応していこうとする姿に、しなやかな頼もしさを感じます。 子育ての《あるある》やセオリー、常識などはたくさんあるもの。それが助けになる場面も少なくないものの、縛られすぎたり、単純に当てはめたりすることで見落としてしまうものも少なくないでしょう。目の前の子どもに向き合って、自分たちなりのやり方を手探りで見つけていく。当たり前なようでいてつい忘れがちな方法が、保護者も子どももハッピーにすることを改めて実感させられます。 ●ご紹介した記事 「上の子可愛くない症候群。」(noteの投稿より)