ヤクルトD1位・中村優斗が入団合意「先発で10勝、その先に新人王」 背番号「15」で岡林魂継承!燕の〝鉄腕〟宣言
ヤクルトからドラフト1位で指名された愛知工大の中村優斗投手(21)が17日、名古屋市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円で合意した。背番号は「15」に決定。最速160キロ右腕は、1992年の日本シリーズで第1、4、7戦に先発するなど、故野村克也監督の下で黄金時代を築いた岡林洋一投手(現編成部プロスカウト)がつけた栄光の番号を背負い、燕の鉄腕を目指す。 真っすぐなまなざしに決意がにじんだ。愛知工大の中村が入団合意。プロへの一歩を踏み出し、鍛え上げてきた背筋をピンと伸ばした。背番号は「15」に決定。黒のネクタイを締めた最速160キロ右腕は記者会見後、自身の名前と背番号が記されたヤクルトのタオルを広げて夢を膨らませた。 「10番台をもらえるのは本当に光栄なこと。いい番号をいただいた。将来、鉄腕と呼ばれるような成績を残したいと思います」 ヤクルトの背番号15といえば、通算53勝(39敗)の岡林洋一投手の名前が挙がる。野村克也監督の下、1990年代の黄金期を支えた右腕だ。2年目の92年には15勝10敗でリーグ優勝に貢献。西武との日本シリーズでは第1、4、7戦に先発して計430球を投げて3完投するなど、鉄腕ぶりを発揮した。タフネス右腕の系譜を受け継ぎ、中村は「番号に見合った成績を」と目を輝かせた。 長崎・諫早農高時代は全国的には無名の存在。最速は145キロだったが、愛知工大に入学後、ウエートトレーニングに励み、160キロまで伸ばした。大きな故障歴がないのも魅力の一つ。ヤクルトは若い先発投手の故障離脱が多いことも課題で「息の長い選手になりたい」と大学時代から柔軟体操など体のケアを怠らない21歳の加入は大きな力になりそうだ。 1年目の目標は「新人王」。目標達成に向けて「先発として10勝」に照準を定めた。「一つ一つ段階的に。まずは初勝利。10勝の先に新人王が見えてくると思う」。専大からドラフト1位で入団した岡林氏は1年目の91年にリリーフとして活躍し、12勝6敗12セーブ。2桁勝利を挙げており、先人の背中を追う。「スワローズの力になれるような成績を残して、チームに貢献したい」と見据えた。 高校では農業土木科に所属し、12個の資格を取得した。国家資格の測量士補や、危険物取扱者試験乙種1-6類も合格したという。セ界の〝デンジャラスな打者〟を安全に対処し、白星を重ねる覚悟を持っている。「入寮まで約2カ月。いち早くプロ野球という世界で活躍するための準備をしていきたい」。燕の〝タフマン〟が、1年目からフル回転する。(武田千怜)