OPECプラス、減産延長で合意-10月以降は徐々に削減幅縮小へ
(ブルームバーグ): 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、2025年も減産を継続することで合意した。ただし一部の減産については規模を縮小する時間的枠組みを設定。短期的には原油価格に下押し圧力がかかる可能性がある。
サウジアラビアの首都リヤドで2日に開かれた閣僚級会合は、市場の見通しより踏み込んだものとなった。サウジやロシアなど主要メンバー国による「自主的な」減産は、来年も継続される。一方で減産を巻き戻すタイミングは、一部の専門家が予想していたよりも早まった。
会合前に市場関係者らが広く予想していたのは一連の減産措置の延長だったが、一部には今年の年末までとの見方があった。2日の合意では、追加減産に参加する8カ国が来年1月まで日量約75万バレルの供給増加を認められる。
原油価格は4月に一時的にバレル=90ドルを上回った後は下落傾向にある。石油消費大国である中国のぜい弱な経済見通しに加え、主要国の利下げペースに疑念が生じていることが背景。5月31日の北海ブレント先物は81.62ドルで終了。月間で7.1%下げた。
北海ブレント先物はアジア時間6月3日の取引で下げ幅を拡大し、シンガポール時間午前7時47分(日本時間同8時47分)時点は、8月限が0.3%安の80.83ドルと81ドルを割り込んだ。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は0.3%安の76.77ドルとなった。
今年の原油価格を支えてきた日量約200万バレルの自主減産は、6月末で失効する予定だった。今回の合意により、この取り組みは9月末までフル体制で継続され、その後は1年かけて段階的に廃止されると、サウジのエネルギー省は声明で説明した。
こうした「自主減産」は、先に合意しているグループ全体の生産を日量約3900万バレルに抑制する取り決めに加えられたもの。OPECプラスは今年の年末までとされていたこの取り決めを、2025年末まで延長することでも一致した。OPECのウェブサイトに掲載された声明で明らかになった。数年前から新たな石油プロジェクトに積極投資しているアラブ首長国連邦(UAE)は、来年の生産枠を日量30万バレル引き上げられる。