結婚している or してない「認知症」に影響する...? アメリカの最新研究から認知症の「最大リスク要因」が明らかに
認知症は、日本のみならず今や世界中の高齢者やその家族に深刻な影響を及ぼしている。将来、認知症を発症するリスクを少しでも低減するために、今から出来ることを始めたいと考える人は多い。 【写真】今日から食べたい!「記憶力・認知力」を高める、身近な食品ベスト9 そんな中、アメリカでは、認知症を発症するリスク要因を明確にした最新の研究が話題を呼んでいる。そこから分かったこと、そして脳の健康について長年研究する専門家が、認知症リスク低減のために役立つ可能性が高いと勧める内容を以下にまとめた。
研究から分かったこと
今回の研究は、NPOの研究組織RANDの経済学者が行ったもので、50歳以上のアメリカ人に対し長期に渡って実施された“Health and Retirement Study”(健康と定年に関する調査)をもとにデータ化。実験に参加したのは約2万人で、そのデータをもとに発表されている。 研究者は、181の潜在的リスク要因に注目し、それらが60歳を超えてから2年後、4年後、20年後の人々にどのような影響を与えるかを調べた(具体的には、認知症や認識機能障害を発症する予兆となる可能性が、どの程度高いかなどを推定した)。 その結果、基本的な認識能力や健康、機能的制約など、認知症の予測につながる様々な要因を発見。そして反対に、あまり影響を与えないだろうと推測される要因もあった。 また、アメリカ南部の人々や黒人、スペイン系の人々は認知症を発症するリスクが高いと示唆している。
認知症の強力な予測因子になるものは?
研究結果によると、認知症発症のもっとも強力な予測因子となるものには、次のようなものが挙げられる。 ・脳卒中の病歴がある ・就労経験がない、または2~3年しか働いたことがない ・60歳時点で糖尿病か、BMIが35以上 ・運動をしたことが、ほとんどない ・趣味がない、あるいは学習を促進する活動をしていない ・一度も飲酒したことがない ・過剰な飲酒 ・60歳時点で私的な健康保険に加入していない ・責任感がない性格 ・呼吸、握力、歩く速度、バランスなどの体力テストの点数が低い ・特定の遺伝子がある ・身体的な体調不良