なぜ「シンプルすぎる」真っ白ケーキを強化? 今年のローソンがDIYケーキを提案する理由
ローソンは12月5日、年末年始商戦の発表会を開催した。2024年のクリスマスに向けて、同社はどのような商品を強化するのだろうか。 【画像】シンプルすぎる真っ白ケーキ、5号サイズのプレミアムロールケーキ、ローソンが提案する「飾り付け」アレンジはこちらから(計8枚)
「真っ白ケーキ」、好評のワケ
2024年のクリスマスは24日が火曜日、25日が水曜日と、5年ぶりに平日となる。ローソンは20日の金曜日頃から、消費者が週末を使ってクリスマスのイベントや準備をする「クリスマスウィーク」の動きが始まると分析。 これを受けて力を入れる商品が、消費者自身がトッピングを買って飾り付けできる「DIYケーキ」だ。 同社は2023年、クリスマス向けに「シンプルショートケーキ 6号」(2560円)を発売した。このケーキの特徴は、イチゴなどはなく、生クリームだけが載ったホールケーキであること。モノよりも経験・体験に重きが置かれる「コト消費」が広がっていたことから、子どものいる家庭や友人同士をターゲットに、飾り付けのプロセスから楽しめる商品として打ち出した。 すると、「イチゴが苦手」「イチゴアレルギーがある」といった理由で従来のホールケーキに苦手意識を持つ消費者からも人気を集め、高い評価を得たという。2023年版では味付けにお酒を使っていたが、小さな子どもを持つ親からの要望を受け、2024年版では不使用に変更し、より幅広い層に訴求していく。 トッピングを減らした分、価格もホールケーキとして低めの2560円に抑え、コスパの高さもアピールしている。担当者は「クリスマス当日だけでなく、パーティーの準備期間から楽しめる、『クリスマスウィーク』にぴったりな商品」と話す。
定番「ロールケーキ」に5号サイズ
シンプルショートケーキが好調だったことを受け、同社は「DIYケーキ」を拡充。通常商品の看板メニューに位置付ける「プレミアムロールケーキ」(227円)をベースに、5号サイズ相当の「プレミアムロールケーキ」(2400円)を用意した。こちらは6号サイズのシンプルショートケーキよりも一回り小さいことから、1~2人用としての需要を見込む。 同社はこのほか、「プチぜいたく」をテーマにした専門店監修のケーキや「バラエティ」をテーマにした種類の異なる小さなケーキの詰め合わせなどを用意。24日と25日は平日のため、専門店などにケーキを買いに行く余裕がない消費者などもターゲットにし、売り上げ増を図っていく。 寒さの訪れが遅い影響もあり、消費者のケーキ予約時期が少し後ろにずれ込んでいるという今年のクリスマス。拡充したローソンのDIYケーキは、より幅広い消費者の心をつかめるか。
ITmedia ビジネスオンライン