余命1年で入院「病院食」のレベルの高さに驚いた 限られた予算で豊富なメニューをそろえる創意工夫
腎瘻の手術は夕方からと聞いていたが、なかなか音沙汰がない。部屋で静かに待機していると16時半ごろ、看護師さんが「17時15分に入室となりました」と報告に来た。いよいよか。少しずつ緊張感が高まる。 ■腎臓に背中からカテーテルを差し込む 17時過ぎ、看護師さんと女性医師がやって来て「さあ行きましょうか」と言われ、ストレッチャーに乗せられて、廊下、エレベーター、廊下を通って手術室へ。腎瘻の手術は左右両方の腎臓に背中から管(カテーテル)を差し込むもので、所要時間は90分ほどとのことだ。
まずは右の背中から始まった。担当は主治医だ。局所麻酔を打ってからいよいよ管の挿入に取り掛かる。激痛ではないが、管が押し込まれていく時の鈍痛が何とも言えない。「もう少しだから頑張って」という医師の声に励まされ、何とか終了。 この時点で「まだ半分なのか」というのが正直な感想だ。仕方がない。残り半分も何とか気力で乗り切ろう。 「う、うっ」とか「あ、イタタ」といった声をあげながらも左側の管挿入も無事に終了した。
19時前に病室に戻った。19時過ぎに夕食が配膳された。天ぷらの盛り合わせに、オクラ和え、みそ汁、缶詰フルーツといったメニュー。天ぷらは少しふやけているが、味はいい。完食した。食欲は旺盛だ。 食後は何もすることがないから、ベッドに横になる。と、その時思い出した。背中2カ所に管が入っているじゃないか。普通に寝て大丈夫なのか? 抜けてしまわないのか? 悶々としてなかなか寝る体勢に入れない。 こういう時に限って忙しいのか、看護師さんがなかなか来てくれない。ナースコールで呼ぶのも気が引ける。あれやこれや、体に少しでも負担のない体勢で寝ようと試行錯誤を繰り返しているうちに、いつしか寝入っていた。
この日はCVポートに加え背中2カ所に管を挿入。すっかり“人造人間”になった気分だ。 ■手術した箇所の痛みはない 起床すると昨日手術した首の下、胸の上のポートの周辺や、管を挿入した背中周辺に異状も痛みもない。順調のようだ。 午前中は点滴、検温、血圧測定などで特に治療はなし。これらは朝食前に済んでしまう。というのも朝食が8時ごろとやや遅めなのだ。この日のメニューは、無塩パン1枚、ツナときゅうりのサラダ、スープ、缶詰フルーツ、牛乳。ヘルシーそのものだ。