かけてはいけない言葉とは?前泊する場合の注意点は? 「中学受験」直前にやってはいけない意外な“落とし穴”
首都圏を中心に過熱状態が続く中学受験は、この1月で埼玉と千葉、2月には東京、神奈川の入試本番シーズンに入る。まさに直前期といえる今、各家庭はどのような心構えで、どのような対策を講じるべきなのか。前編の記事では、2025年入試の動向や、全国61の塾に取材してたどりついた「直前期の心構え」について、教育ジャーナリストの西田浩史氏が明かした。後編では、直前期に陥りがちな“落とし穴”について解説する。 【写真】開成、麻布、女子学院…風格漂う名門私学の校舎 (前後編の後編) ***
受験期の経験がトラウマになることも
受験の直前期につい子どもに対して厳しく接してしまう保護者の多くは、中学入試を重視するあまり、とにかく「今が大事」だと考えてしまいがちだ。ただ、もちろんゴールは中学受験の合格ではない。やりようによっては大学受験でいくらでも挽回できる。 多くの中学受験生は、それが人生初めての入試になることだろう。だからこそ、今の親の対応が、子どもの未来にどう影響を与えるかを考えなければいけない。受験そのものに対して嫌なイメージや考え方が身についてしまった場合、それがトラウマになって大学入試や就職活動まで引きずってしまう可能性もゼロとは言えないのだ。 一方で、行きたかった志望校に合格した場合も、それで万事OKというわけではないのが難しいところ。 「第一志望校に合格したものの、受験勉強のさせ方が悪かったのか、学ぶことへのワクワク感が身につかず、中学入学後に学力が伸び悩むケースも珍しくありません。ひどい場合、中学入試で生じた軋轢から親と子の関係が少しずつ悪化して、その後のコミュニケーションが取りづらくなるという話も聞きます。そうすれば、大学入試や就職にも響いてしまうでしょう」(神戸市・大手塾関係者) 結果の良し悪しにかかわらず、受験生がやり切ったこと、頑張った軌跡を重視して最大限にほめてあげてほしい。
自信の積み重ねが結果に
受験生の士気を高めるのにおすすめなのは、「視覚」に働きかけることだ。受験期の子どもには、言葉よりも目に見えるもので訴えるのがかなり有効なのである。 取材した多くの塾関係者がおすすめするのは、子どもが常に見える場所に、これまで取り組んできたノートやプリントを積み重ねておくこと。「これだけたくさん勉強したのだから、当日は大丈夫、頑張ったのだからえらい!」という自信の積み重ねが結果へとつながっていくという。 一方で、褒めすぎると「調子に乗るからダメ」という意見もあるが、直前期だからこそ、バランスをとりつつ、小さな成功体験をたくさんさせることが大切と多くの塾関係者は力説する。たとえ思うような結果にならなかったとしても、動揺しない親の気構えが必要なのだ。