亀岡暴走事故で犠牲・真緒ちゃんも成人…親友が遺族にLINE風日記手渡し「式に連れて行くよ」
2012年4月に起きた 京都府亀岡市の暴走事故 で犠牲になった小学2年の小谷真緒さん(当時7歳)は、生きていれば今月、20歳を迎えるはずだった。大の仲良しで同学年の大石かやのさん(20)は事故後、日記に真緒さんへのメッセージを書き続けてきた。13日の成人の日に同市で開かれる式典に、遺影とともに出席する。(京都総局 東大貴) 【画像】大石さんが真緒さんに宛てて書いた日記
保育園から一緒
大石さんは真緒さんと同じ保育園に通い、快活でおてんばな真緒さんと一緒に絵を描いたり、粘土をこねたりして遊んだ。小学校では別々のクラスになり、「一緒にいると楽しい。また同じクラスになれたらいいな」と心待ちにしていた。 2年生になった4月、学校から帰宅すると、見慣れた通学路がテレビのニュースで流れていた。真緒さんが亡くなったのだと幼心に理解し、机の下で一人泣きじゃくった。 その後も、真緒さんを忘れることはなかった。「真緒ちゃんは心の中で生きているけど、名簿も席もない。文字に残さないと忘れられてしまう」 小学4年生の時、クラスメートの女子児童と2人で真緒さんに宛てた日記を書き始めた。「今日の算数難しかったよ」「体育面白かったな」。6年生まで続けた日記は6冊になり、2人で真緒さんの父・真樹さん(42)に贈った。
誕生花の指輪
事故から10年の節目を1年後に控えた高校2年の4月、日記を再開。成長した真緒さんとLINEでやり取りしているつもりで、ノートにメッセージを書きつづった。「今日天気よかったね! 暑いぐらいやったからそろそろ半袖の出番かなあ?」「この土日は勉強DAYだ~!! まおちゃんも一緒に勉強しよ?」。1年間続け、日記には、真緒さんの誕生花をモチーフにした指輪をつけた自分の手の写真なども添えた。 昨年11月、高校時代の日記2冊を真樹さんに手渡した。自然と成人の日の話になり、「真緒ちゃんも式に連れて行くよ」と伝えた。真樹さんは涙を流して感謝し、遺影を預けた。「これほど真緒のことを思ってもらえてありがたい」と話す。 大石さんは11月中に、着物姿で遺影を抱え、成人の日の前撮りをした。