シード権争い集団から脱落して無念の表情でゴールした立教大10区・永井駿を迎えるチームメイト photograph by Kiichi Matsumoto

　63年ぶり箱根駅伝のシード権獲得――。 　それが、立教大にとって今季最大のミッションだった。 【写真】「往路はこんなに嬉しそうだったのに…」“行きは良い良い帰りは怖い”（？）立教大の往路の喜びから復路の無念、青学大の強さを実感する走りまで写真で見る 　今シーズン、高林祐介が監督に就任すると、初の全日本大学駅伝出場を決め、本戦では7位でシード権を獲得。さらに箱根駅伝予選会では周囲をあっと言わせるトップ通過で、今回の箱根路に乗り込んできた。

「往路は100点」

　往路では、帝京大や法政大などシード常連校を相手に互角以上の戦いを見せ、8位で終えた。 「往路は100点、みんな最高の走りをしてくれました」 　往路レース後、高林監督は笑顔でそう言った。 　往路8位の立役者は、2区の馬場賢人(3年)と5区の山本羅生(4年)だろう。 　ふたりとも高林監督が唸るほどの走りを見せた。 「馬場は全日本の時、箱根でもこのくらい走ってくれるといいよねっていう話をしていたんです。今回の箱根は前半、ちょっと攻め過ぎかなぁっていうぐらい攻めていたので大丈夫かなと思ったんですけど、離されてからもしっかり耐え、ラスト3キロでは平林(清澄・国学大4年)に追いつくぐらいの勢いだった。自分がなんとかするという、まさにエースの走りを見せてくれました」

エース・馬場の快走

　立教大は前々回、前回ともに1区、2区で崩れてしまい、駅伝にならなかった。 　今回1区を走った吉屋佑晟(3年)は区間16位だったが、上位とは数珠つなぎ状態で、タイム差はそれほどなかった。そこで2区の馬場が区間7位の走りでエースの役割を果たし、順位を9位に押し上げて流れを作った。 「2区にゲームチェンジャーを置けたのが良かったですね。今までは1区、2区で遅れるとズルズルいってしまったんですけど、今回は2区の馬場のところで10番以内に戻せたのが本当に大きかったです」 　全日本後に決めた馬場の2区起用が当たった。 　馬場も笑顔だ。 「何とかいい流れを作りたいと思い、前がいたんで食らいついていきました。10キロまで区間3番ぐらいでいけましたし、思ったよりも粘れたのでよかったです。平林さんたちと走れて楽しかったですし、自分の自信にもなりました」