「実は設定タイム通り」だった立教大“63年ぶり箱根駅伝シード権”届かず…監督は「私の読みの甘さ」予選会トップでも熾烈10位争い脱落のワケ
5区山本の無欲の走り
その後も、3区の稲塚大祐(4年)、4区の林虎大朗(4年)が粘りの走りを見せ、4区終わりでシード圏内まで14秒差の12位。あとは5区の山本に託した。 レース前の山本は、かなり控えめだった。 「5区での理想のタイムは72分30秒、73分台を出せればいいかなという感じです。今年は平地でのアドバンテージがあると思うので、自分が稼ぐのではなく、最低限の走りが出来ればいいかなと思っています。これで競技生活が終わりになりますが、自分の利益よりもチームへの貢献が一番だと思っているので、自分が出るかどうかは二の次に考えています」 欲がないなと思ったが、山本は今シーズン、故障などで非常に苦しんだ。
苦しいシーズンから復調してきた山本
高林監督は「よく戻ってきた」という。 「山本は春に疲労骨折をして、その後、調子が戻らず、夏には音を上げたこともあったんです。その後も全日本や箱根予選会でみんな結果を出していく中、焦って気持ちが空回りしてしまうこともありました。でも、実績もあるし、待っているからという話をして、11月ぐらいから調子が上がってきたんです。最後は本人が4年間で一番いいというコンディションになり、今回も5区を任せました」 山本は大平台で順位を9位に上げ、小涌園前では8位に上げた。71分29秒と設定タイムを大きく超えて、8位でゴール。現役ラストランにふさわしい走りを見せ、復路にシード権獲得の襷を繋げた。 「山本は、期待に応えてくれて、すばらしい走りを見せてくれました」 5区まで会心のレースができた高林監督は、笑顔だった。 「往路の走りを見て、復路の選手たちは、俺たちはやれるんだと思ったはずです。このまますんなりいくとは思えないですが、楽しみです。復路でキーになるのは、4年生ですね。往路は3区、4区、5区で4年生が頑張って繋いでくれたので、9区の安藤(圭佑)を始め、4年生がしっかりと走れるか。特に安藤は精神的にも戦略的にも支柱になっていますし、彼なくして今のチームはないので、最後はシードを決定づける走りをしてくれると思います」 勢いがつき、レースの内容も悪くない。高林監督の表情は、復路に戦々恐々ではなく、むしろ真正面から戦えることにワクワクしているように見えた。
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